憧れだった広報部の仕事に勤務することができるようになった!
学生時代から編集の仕事に憧れていた私。
広告営業や制作の仕事を経て、20代後半になってとある企業の広報部に転職することができました。
その職場では、プロモーション業務と事務が半々といった割合で、好きな仕事もそうでないものもありましたが、基本的にはやりがいを感じられる環境でした。
給料はそれほど高くなかったけれど、残業がほとんどない日も多かったのでストレスも発散しやすく、ここでなら長く働けそう!
結婚してからも働き続けようと思っていました。
プライベートも充実させたい!ワークライフバランスはやっぱり大切!
ところで、私は仕事のやりがいも重要だけれど、プライベートも充実させたい!と考えるタイプです。
転職する前の会社は残業がすごく多くて身体がボロボロになりそうだったから辞めたのですが、そんな職場でも夏フェスから徹夜で帰ってきてそのまま出勤したこともあるくらい。
まぁ、それも若かったからできたことで、20代後半になり、これからはワークライフバランスが取れる会社を見つけた方が理想の生活ができるのではないかと考えたのです。
そんな中、幸運にも残業の少ないこの会社の求人を見つけることができました。
ついにやってみたかった編集業務を任されることに!
入社して2年目の頃、会社のプロモーションに使用するパンフレットの編集業務を任されました。
学生時代からやってみたかった編集業務です!
このパンフレットはモデルさんも起用してプロのデザイナーさんに制作してもらうくらい本格的な内容。
会社も毎回このパンフレット制作にはかなり力を入れています。
この仕事を担当していた方が別の業務を手掛けることになり、これからは私がメインの担当になっていくのだと聞かされたときはプレッシャーも大きかったのですが、やはり憧れの仕事ができるうれしさでいっぱいでした。
さらに大好きな海外アーティストが来日するニュースが飛び込んできた
パンフレット制作は秋ごろからスタートし、翌年の2月に原稿を完成して印刷に入るというスケジュールでした。
制作業務が始まってしばらくしたころ、思わぬニュースが飛び込んできました。
それは、私が学生時代から好きな海外アーティストが10年ぶりに来日してライブを行なうというもの。
いつかはライブを観てみたいと思っていたので、そのニュースを聞いてすぐにチケットを購入しました。
ライブは2月の初めで、パンフレット制作もその頃にはひと段落つくスケジュールになっていたので、大丈夫だろうと考えていました。
仕事のスケジュールが狂い、楽しみだったライブと重なってしまった
パンフレット制作は実際にやってみると本当に大変でした!
膨大な量の情報を整理して、掲載記事を細かくチェックしなければいけない。
社内の何人かが原稿をチェックして訂正を加えてくるので、修正をやってもやっても終わらない状況になってきました。
それに加えて、発注したデザイン会社の担当が同じく新人で頼りなくて…。
その担当さんのミスも背負ってフォローに回らなければならなくなり、スケジュールはどんどん後ろ倒しになっていきました。
そして、まさかのバッドタイミングで原稿の最終確認の日が、楽しみにしていた海外アーティストのライブ当日と重なってしまったのです。
仕事が押し、結局ライブには行けず愕然とした
パンフレット制作は職場の同僚や上司もサポートしてくれて、最終確認の日の夕方には一通りカタチになりました。
「あとは色見本が届いたらそれをチェックするだけだから」と前任の担当者も言い、定時になってみんな帰って行きました。
原稿のデータをデザイン会社に送り、デザイン会社が印刷する色の見本原稿を用意してそれをチェックすればあとは終わりというところまで来ました。
みんなが帰ってすぐに色見本が届き、1ページずつチェックしていきます。
すると、原稿の文章に間違っている部分があることに気づきました。
よくよく見ると何個もあります。
ドキッとして急いで修正に取り掛かりました。
一通りの訂正を終えるともうすぐ夜の7時。
ライブが始まる時間です。
幸い、ライブ会場は職場の隣の駅なので大急ぎで行けば10分ちょっとで着くはず。
もう一度、色見本を確認したら終わる!
ソワソワする気持ちを抑えながらデザイン会社からの連絡を待ちました。
30分ほど経って再度色見本が届きました。
さきほどの訂正指示と照らし合わせていくと直っていなかったり、また別の間違いを見つけたり…。
だんだんと血の気が引くというか気が遠くなりそうな思いを落ち着かせて確認を繰り返します。
その後も何度かデザイン会社とのやりとりを繰り返し、やっと終わった!
と、時計を確認するともう9時を過ぎていました。
もうきっとライブは終わってしまったでしょう。
仕事を抱え込みプライベートを犠牲にするのは嫌だとつくづく思った
すっかり疲れ果てて、茫然としながらその日は家へ帰りました。
大好きな海外アーティストのライブに行けた友人からは楽しそうな感想メールが送られてきて、本当に泣きそうになりました。
その時、これからは本当にプライベートを大切にしたい!としみじみ思いました。
憧れの仕事だって一人で抱え込む必要はなかったはず。
やりがいを感じられる仕事は別のところにもあるだろうし、やり方だって他にもいろいろあるだろう。
だけど、あのアーティストは次にいつ来日するかわからない。
こういう悔しい思いはもう二度としたくないと思いました。
そのとき、きっと私はやりがいある仕事よりも最終的には自分の好きなモノの方が大切にしたいタイプなんだなと気づきました。
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