特殊な薬品を使う仕事で、このままでは体を壊すのではと考え転職を決めた
僕は平成18年10月まで山口県にある化学薬品工場の構内で梱包、充填、出荷を本業とする会社に勤めていました。
その職場で充填している化学薬品は原材料にフェノール等を使用しており、人体に有害な薬品でガンになる可能性や薬傷で皮膚が焼けてしまう危険な薬品でした。
実作業では、マスクをしていても呼吸すると薬品を吸い込んでしまいます。
職場の作業環境も人体に影響のない安全で十分な環境とは言えない状況でした。
僕はこの会社で何十年も働いたら、体を壊してしまうのでは?と不安になりました。
日々その不安は大きくなり、気持ちも「ここの職場は早く辞めたい。」と思うようになりました。
さらにその会社での労働条件と賃金や福利厚生も決して、待遇の良いものではありませんでした。
人間関係の面でも、僕はあまり人と馴染めない人間でした。
必要以上に僕の方から職場の人達とコミュニケーションは取りませんでした。
総合的に考えて、健康問題、給料体系、福利厚生、等の事を含めて労働条件の良い会社に転職する事を決めました。
転職のためにハローワークで求人情報をチェックしながら資格を取得
転職して何ができるのか考えましたが、今の自分には特に目立って出来る事もありませんでした。
日々、自宅のパソコンでハローワークのホームページで求人情報をチェックする毎日でした。
そんな時、親会社の知り合いに「資格を取得しなさい」とアドバイスを受け、「危険物乙四類」の国家資格を取得する為に、勉強を始めました。
資格の勉強は難しく、全然頭に入りませんでしたが、転職したい一心で取り組みました。
そして、その年の6月に試験を受け無事に合格出来ました。
それを機に、継続して資格の勉強に取り組み「危険物一類、二類、6類」、二級ボイラー、玉掛技能講習など資格を取得する事が出来ました。
全ては、履歴書に書けるようにする為です。
転職の準備を整え、狙った会社に応募したが履歴書は戻ってきてしまった
資格もある程度揃って、いよいよ転職できる準備が整い後は、希望する会社が求人を出してくるのを待つのみでした。
今の会社は危険物や劇物の充填ですが、今度はそれを製造する側になろうと思い、親会社の求人に応募する事を決めました。
しかし、求人には「最終学歴」において「機械科又は化学」を専攻した工業高校卒業以上とありました。
僕の最終学歴は普通科の高等学校でしたので、求人窓口に電話で問い合わせたところ「普通科では難しいです。」と言われました。
それでも僕は、ダメもとで履歴書を送り応募しました。
予想のとうり履歴書が帰って来ました。
後から聞いた話では、協力会社の従業員は応募しても合格にならないということを知りました。
粘り強く転職先を探し続けついに合格!資格を取得したことが助けになった
僕はその後も、毎日来る日も来る日もハローワークの求人募集を探していましたが、僕の希望する条件に合うものは見つかりませんでした。
求人があるのは、特殊な分野(医療関係、薬剤師、設計など)ばかりで、後は今の会社と同じようなところばかりです。
当時の僕の年齢は34歳で転職できるギリギリの年齢でした。
あまり仕事を選ぶ事はせず、求人にあるもので妥協して探そうと思い始めた頃、金属熱処理の求人を見つけました。
僕の希望するプラントオペレーターではありませんでしたが、その会社に応募する事を決めました。
まずはハローワークで調べた電話番号に個人で直接電話して、現在の求人情報を聞き出しました。
その時に、面接もして頂けるように電話で猛アピールして面接の日にち確定を頂きました。
そして、先方に言われたとおり先にハローワークで紹介状を作成してもらい、履歴書を作成しました。
とうとう面接の日が訪れました。
僕は、今の会社を辞めてこれから面接を受ける会社で頑張る決意でした。
正直、これを逃すともう転職できないのではないかと思っていました。
面接は今の会社の事や以前の仕事、ここの会社でやりたい事は?など主に聞かれて考えてきたとうり、回答しました。
工場見学も合わせてさせてもらい、職場の雰囲気や作業環境などがわかりました。
とても、手応えのある面接で内心では「合格できる。」と直感していました。
後日先方から電話があり、「合格です、来月から来て下さい。」と言われてとても嬉しかったのを覚えています。
資格の勉強は難しく、毎日継続して勉強するのは辛い時も多々あったのですが、その甲斐あって再就職出来たと思っています。
資格を取得して本当に良かったです。
そして、いよいよ今の会社を退職する時が来ました。
ものすごく人手不足で、会社を辞めずらい状況の時に僕は「退職願」を所長に提出しました。
所長には個人的に大変お世話になっていて、本当に申し訳ない気持ちでしたがもう決まった事なので、割り切って話を進めました。
同じ職場の先輩にも、とても申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
僕が職場を辞めることで、その先輩は休みをとる事が困難になるからです。
しかし、その先輩は心良く僕を送り出してくれました。
そういう事もあり一層転職先で頑張る決意が強くなりました。
そして無事に再就職が叶い今も、同じ職場で働いています。
あの時、決断して本当に良かったです。
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