営業の仕事に疑問を感じ、自分の天職を探し始めた
私はメーカー勤務で職種は営業でした。
お仕事はとても楽しく、人間関係もそう悪かったわけではありません。
ただ、勤続7年も経っており、総合職ではなかったために仕事の幅が広がらない日々を送っていました。
営業の仕事は、商品が変われば新しいものを覚えてお客様に売り込みをするくらいでこれと言って何かスキルを身に着けられるような仕事内容とは言えませんでした。
それに、営業という仕事は専門職とは違い、フットワークが軽く、よく気が付き、誰とでも親しく感じよく話すことができ、お客様からのニーズには即お答えできるようにするというのがいってみればスキルで、私にとってはそれは半分は歌って踊れる営業、というようなイメージだったのです。
いろいろな人との出会いは楽しかったと思います。
でもスキルとしてはそれ以上のものがあるわけではないというのが本音でした。
アフター5にもお客様にお付き合いして飲みに行ったりしなければならないこともありました。
それはやはりプライベートな時間ではなく、私にとっては営業の延長で残業と言っても過言ではありませんでした。
会社の上司たちやお客様は、会社のお金を接待費として落とすことができるため、会社関係者と飲み会に行くわけです。
そうなってくると、営業時間外は、ホステスの仕事であるようにも思えてきました。
そのうえ、その時代の女性はやはり結婚退職される方が多く、いつまでも営業所にいるのはだんだん居心地が悪くなっていったということも理由の一つです。
このまま同じ仕事を一生続けるのだろうか、転職の道はないのか、と悶々と考えだし、仕事をしながらカルチャー教室で勉強をしたり、自分に天職を思えることを探す自分探しが始まりました。
同じ営業でも英語を活かした仕事へスキルアップの転職を決意
そこで私は転職を真剣に考え始めました。
ただし、生涯働ける仕事を探すことが目的だったので、まずは好きだった英語の勉強をして、英文事務や英系の営業を目指すことにしました。
職種は変えずにワンステップアップをしようと考えたのです。
私は退職を決意して、そのあと2年間は働かずに様々な社会経験を積むことにしました。
会社を辞めてわかったことは、自分がいかに社会人ではなく、会社人だったかということでした。
どれだけ会社に縛られており、どれだけ自分の時間を会社だけに捧げてきたかということがわかりました。
一歩社会に出てみると、全く違った世界がありました。
私は市のボランティアに登録をして、市民のためのボランティア活動に参加したり、無料のコースに参加して、障碍者や高齢者の人たちへのサービスのボランティアをしました。
そして、発展途上国への旅行を通して自分の生活がどれだけ恵まれているかということを理解したのです。
私は、会社の経費を湯水のように接待費として使っている上司などに対し、それが当たり前で、それでよいのだと思っている多くの人たちについて疑問を感じ始めました。
ボランティアや旅を通して、様々な考えが浮かんできたのです。
そのほか一年間の留学では、更に様々な国の生徒たちと討論を通してだんだんと世界のことが見えてきました。
二年間で、ボランティアと旅そして留学を通して、私は会社人だったころには得られなかった充実した体験をすることができました。
そして予定通り留学では英語の資格を取り、二年後に派遣会社に登録し、派遣社員として4社ほどの経験を積んだのです。
派遣社員になって働こうと思った理由は、いろいろな会社を覗いてみたかったからです。
自分の持っている資格や学歴そして経験を通して一体どんな仕事を紹介してもらえるのか、それを知りたかったのです。
私は携帯電話の基地局に設置するコンピューターの部品を作っている外資系の会社での営業や、アメリカ系のソフトウェアの会社の総務、日系のソフトウェア会社でのエンジニアアシスタント、外資系の受付、などを経験しました。
様々な仕事を経験し、最終的に英語のプリスクールに就職した
様々な仕事の経験を通してなんとなくわかったことは、経歴を書いて派遣会社に任せているだけでは、結局は同じような職種しか紹介してもらえないということです。
やはり、自分はこうしたい、これがやりたい、未経験でも雇ってくれる会社はないか、などの意気込みや自分がやりたいことがしっかりと頭にあるほうが良いということがわかりました。
私は日系の会社が長かったので、英語が身について外資系の会社に勤めだしても、なんとなく肌に合わないなと感じ、結局最終的には日系の会社に収まりました。
ところがその後、更に新しい出会いがあり、今は二年間の休職中に学んだ保育の勉強を生かして、英語のプリスクールに勤めるようになりました。
いろいろな仕事を通して、子供が好き、英語が好き、人を育てるのが好き、というところに落ち着いたのです。
年を取ってくると、事務職は座り仕事で肩が凝ったり、コンピューター仕事もきついです。
子供相手の仕事はある程度声を出したり歌を歌ったり踊ったりもするため、適度に運動になり、とても有意義な毎日です。
それだけでなく、仕事中のほとんどの間笑顔でいるのでそれも精神的に良いようです。
このような結果に落ち着いて思ったことは、転職を考える時に、自分がいずれ年を取っていくことや、生活環境が変わっていくということを念頭にプランを立てていくようにすると良いのではないかということです。
正直お給料はそんなに良くなりませんでしたが、かなり充実しています。
みなさんも頑張ってください。
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