テレフォンアポインターの仕事に限界になり退職!私が会社から逃げた方法

みんなの退職体験談

自分が壊れるまで働く必要はない!辛すぎる職場からは逃げてもいい

転職をしたい、と考える社会人の方はたくさんいらっしゃるかと思います。

給与が理想と見合わない、業務内容が自分と合わない、人間関係が苦痛……などなど、その理由は様々なもの。

いずれにせよ、それらが我慢の限界を迎えた時、人はその環境から逃げ出さねばと思うようになります。

しかし、現実にはそう簡単に転職はできないですよね。

自分に与えられた役職や業務、人員の不足などを考えると、そう簡単に責任を放り出して転職を考えられないのも現状だと思います。

でも、その考えにとらわれていると、いつか自分が壊れてしまうことになりかねません。

今回は、壊れる寸前まで耐えきった私が、職場を抜け出した体験談をご紹介します。

テレフォンアポインターの仕事で契約が取れず上司から責められる毎日

私が勤めていた会社は発信系のコールセンターでした。

テレフォンアポインターと言うと耳にしたことがある方も多いと思います。

某光回線を販売している企業の委託業務を担っており、行う作業はもっぱら営業。

あるルートにて渡された一般家庭の電話番号リストを元に、ひたすら架電し詐欺スレスレの営業トークを繰り広げ、詳しいことを知らないお客様を美味しい話で釣り上げ契約までこぎつけるという流れでした。

大量の従業員を抱えているため、社内ではチームが編成され、そのチームに指揮をするリーダーが配置されます。

リーダーの指示やフィードバックを受けながら、一般アポインターはひたすら電話をかける日々。

営業の会社にはよくあることですが、獲得件数は数値化され、チーム内果ては社内でも比較され続けます。

近年、電話回線の通信手段が携帯電話にとって代わられ、固定電話にかかってくる電話はほぼセールスやオレオレ詐欺ばかりになってしまったこの時代、アポイントを取るのは容易なことではありません。

電話がつながった瞬間に切られる、怒鳴られるなど日常茶飯事。

しかしそのような中でも、確実に成績を獲得する優秀なアポインターは存在します。

そして悲しいことに、私はその「優秀なアポインター」にはなれませんでした。

優秀な人が一日10件は獲得する契約が、私は1日に1件取れればいい方という体たらく。

常に心の中で「人を騙して契約を取るなんて」といったような罪悪感があったせいかもしれません。

電話の向こうのお客さまに、どうしても強くものを言えなかったのです。

そんな私はチーム内でも劣等生扱いされ、毎日上司から怒号を浴びる日々でした。

わざと社内の皆に聞こえるように「あいつはお前の10倍の件数は取れているのになんでお前はできないんだ」と比較し叱責。

その度に私は悔しくて、休み時間になるとトイレに籠って泣き続けました。

それでも、石の上にも三年といいますし、嫌だから辞めるのは甘えだという日本らしい考え方から抜け出せず、私はその苦痛に耐えながら出勤しました。

自分なりに成績をとれるよう努力をしましたが、それはなかなか実らず、徐々に私は自分が悪くない場面でも上司から八つあたりを受けるようになりました。

周りが哀れんでいる空気すら、感じ取れるほどでした。

それでも、負けてはいけない、それは甘えだという考えだけが私を支えていました。

ではなぜそんな私が転職を決めたのか。

きっかけは、心より先に身体に表れた異変でした。

会社に勤めるようになってから、昔よりお腹の調子が悪いことは気になってしました。

しかし市販の薬の服薬と我慢で乗り切っていました。

するとだんだんと、以前よりめまいがひどくなり歩くのが苦痛になってきたのです。

その症状が顕著になってきた頃、トイレに入ってびっくりしました。下品な話にはなりますが、肛門から出血していたのです。

初めは痔でも発症したのだろうか、と放っておいたのですが、日に日に出血は増えていき、もはや下着に沁みるほどでした。

その数週間後、私は会社で倒れました。

原因は十二指腸潰瘍の発症と、出血による貧血でした。

心で耐えていても、それ以上の負荷が身体には否応なしに出てしまう。

それが分かり、私はようやく転職を決意したのです。

限界の体を酷使して働きながら転職活動を開始

退職を考え、まず動いたのは次の仕事を探すこと。

営業の仕事は成績が全てです。

獲得件数に合わせてインセンティブが支給されるので、日頃から成績の悪い自分には貯金ができるほどの給与がありませんでした。

退職してから新たな仕事を探すような生活の余裕がありません。

そこで、仕事が休みの日にはひたすら目星をつけた企業に電話をかけては面接を取りつけました。

下手な鉄砲数打ちゃ当たるではないですが、とにかく応募すれば今よりもましな環境の職場くらいは見つかるだろう……そう考えていた私は必死でした。

ただでさえ日々のストレスと業務に追われ取れない疲れを引きずったまま、休日も別企業への面接へ赴く日々はとても辛いものがありました。

しかし行動しなければ変わらない。

この苦しみしかない現実が一生続くんだ……私を支えていたものは、ただ逃げたいという気持ち一心でした。

ようやく私を拾ってくれた企業は、コールセンターの受信業務。

アポインターのような営業獲得業務はありません。私はここに入社の意思を伝えました。

ですが、そこで引っ掛かったのが入社日です。

面接を行ったのが月半ば。入社が来月1日から、という条件を新たな会社に突きつけられ、私は悩みました。

通常、退職は退職予定日の1か月以上前に伝えなければいけないという社会のマナーがあります。

加えて、勤めていた会社には契約上のルールとしても設けられている内容でした。

入社日をずらす相談をしてみても、条件を守ってもらえないと入社は厳しいと譲ってもらえない。

このままでは転職ができなくなると考えた私は、強硬手段に出たのです。

予想通り退職を申し出ても留意されてしまい、強硬手段を取ることに

私は、勤めている会社に退職の意思を伝えました。

それは退職希望日からわずか2週間前の申し出でした。

チームリーダーに伝えたところで理解してもらえないと踏んだ私は、リーダーのさらに上責にあたる上司に伝えました。

それでも、一筋縄ではいきません。

一人減るだけで戦力が減る、できないから辞めるのは弱い人間のすることだ、と上司はお決まりの文句を使い私を説得し続けます。

決定打としてぶつけてきたのが「会社の規定に反する」ということ。

やはり、一カ月前からの申告でないことがネックとなってしまったのです。

ですが、私はもうなりふり構っていられませんでした。

すでに次の転職先が決まっていること、自分の身体に限界がきていること、何を言われても辞めること……どれだけ説得されようと、私は折れませんでした。

平行線の話し合いに突かれたのか、上司は「この話は保留にする」と撤退。

そのまま1週間以上が経過します。

このままでは希望日に向けて退社手続きが間に合わない、と考えた私は再度上司に打診しました。

意思は変わりません。

もし却下されたとして、最悪会社から無断で逃げるつもりでもいました。

上司の答えは「仕方ないな、なら今から人事部に行って手続きしてこい」でした。

規定違反ということで、裁判沙汰になることも覚悟していた私は、少し拍子抜けしてしまいました。

無事手続きを終えた私は希望通り月末に退社し、新たな会社に入社することができました。戦いは終わったのです。

新たな会社は環境もよく、ストレスなく業務を続けています。転職をして、本当によかったと感じずにはいられません。

従業員一人が退職したって会社にそれほど損害はない

冷静に考えれば、従業員一人の退職で響くことなどそこまで多くないのです。

自分が辞めれば誰かが死ぬだなんてこと、ないでしょう?

人員不足はなんとかなります。

会社は人が減れば新たな求人を出すのですから。

甘えだと自分を律し耐え続けていれば、そのまま身体を壊し社会復帰できなくなってしまう可能性だってあるんです。

日本社会は、秩序と調和を重んじます。

その精神から、会社を辞められない、迷惑がかかるという固定観念にとらわれ過ぎだと思います。

しかしそれで自分を壊したところで、会社は私たちの力にはなってくれません。

使えない駒はすぐ見捨てるのが大半の企業です。

これ以上は限界だ、と感じている人は、無茶をし、時にはルールを破ってでも転職を考えてみていいと思います。

現に私は転職して、かつてない幸せを得ました。

今転職に悩んでいるどなたかの心に、私と同じ幸せが届くことを願っています。

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