名ばかりの研修制度に苦労した上に、上司からの叱責
辞めてやる!
在職中、その言葉が浮かんだのはそれが最初ではありませんでした。
最初の一回は入社一年目の9月。
中小企業の新入社員として社会人の第一歩を踏み出した私ですが、研修制度があるという甘い考えをあざ笑うかのように、OJTという名の業務が早速待ち構えていました。
いきなり先輩からの指示もなく、とりあえず手引きを渡され、練習もなく本番を迎えていることに目を白黒させましたが。
ですが、それが社会人というものだ、と解釈して仕事に打ち込み、少しは慣れてきた頃でした。
上司から、それぞれの作業をいつ、だれに教わったか表にするから申告するようにという通達がありました。
まだ純粋な私は、素直に誰にも教わってないことを申告したところ、上司にいきなり怒られました。いきなり一人でなんでやった!と。
そんな理不尽な怒りにも、うぶな私は驚きつつも、自分が誰にも聞かなかったことが悪い、と謝り、とりあえずその場は収まりました。
しかし、家に帰って思い返してみるとふつふつと怒りがわいてきて、誰に言うわけでもなく、辞めてやる!と思いました。
その時は思うだけで少しすっきりしたので、転職まではいきませんでした。
上司の心ない言葉に不満が爆発!5年目にして退職を決意
二回目はケアレスミスをした4年目の時でした。
もちろんミスをしたのは私の責任だったので、素直に謝ることができました。
しかし、その時に上司に言われたのが、『何ができるの?』という言葉でした。
その時は怒りや悲しみはなく、純粋にこの人は何を言っているのだろう?という疑問でした。
よくよく考えたならば、もう4年目なのに、という含みがある言葉だったかもしれませんが、そこだけ言われて私の頭の中は『?』ばかりでした。
しかもなかなかのひどいセリフで、むしろ私以外のその場に居合わせた同僚が驚いていました。
『あんな言い方はない!』と私のことを思って憤慨する同僚の言葉を聞きながら、頭の中では辞めてやる!の言葉が浮かんでいました。
二回目の辞めてやる!から私の意識は次第に転職の方向に向かっていました。
もともと勤めている中小企業はオーナー企業で従業員にも血縁者が多く、本当に実力で今の地位にいるのか怪しい人もちらほらいる現状でした。
さらに最初の研修制度が名前だけだったように、書面上に存在していても、実質行われていないものがたくさんあり、それが当然とばかりにまかり通っていました。
上司への不満と会社の不信感が後押しになり、ついに5年目の終わりに差し掛かった2月に転職を決意しました。
医薬品の業界大手企業へ転職成功!
まずは大手転職サイトに登録し、自分の経歴を伝えました。
医薬品にかかわる仕事そのものは好きだったので、同じ業界での仕事を希望した他、働きやすさのランキング上位の企業を希望しました。
すぐにいくつかの企業を紹介してもらい、書類審査に合格した2社に面接に行きました。
ラッキーなことに一社から合格をもらい、無事に業界の大手の企業に転職成功することができました。
転職先、そして転職後の会社の初出勤日が決定した状態での転職だったので、現職の会社の引き留めに一切応じられる状況ではなかったので、本音は封印し、花嫁修業での退職と伝えました。
古い会社で、寿退社がもともと多かったこともあり、行き遅れとみられていた私はしぶられたものの、退職願を受理してもらうことができました。
転職後は大手ならではの部署間の風通りの悪さや書類業の煩雑さにはまだ慣れていませんが、書面上のことが実際に行われており、社会の目があるためか従業員同士の会話も丁寧で前職とは比べ物にならないくらいのやりやすさを実感しています。
全力投球で次の職場を探すために、勢いで退職しない
転職をしたことで転職を成功させるために必要と感じたのは、勢いに任せて転職しない、ということです。
もし私が一回目の辞めてやる!で退職しようとしたなら、なぜ転職したいと思ったのかがあいまいで次の就職先を絞り込むのにも苦労しましたし、最悪の場合転職した後に、転職しなければよかった、と思いかねません。
転職というのは非常に労力が必要です。
転職活動のための職務履歴書の作成、就職先希望企業の絞り込み、企業分析。
転職できた際の就職先への書類の提出、現職企業への退職願、退職届の提出、有給消化計画、引継ぎ・・・
今回転職を経験した私ですが、やってよかったと思いつつ、できれば二度度したくないと思いました。
せっかくならこんな大変な転職活動は一回に全力投球して、最高の結果を出しましょう。
そのためには、もし辞めてやる!と思ったならば、そこですぐに行動せずに少し冷静になり、あと一回辞めてやる!と思うまでに辞める理由を書き留めておくことがおすすめです。
個人的な意見から言わせてもらうと、一回目の辞めてやる!は衝動です。
二回目以降の辞めてやる!はある程度蓄積したものです。
もし、2回目以降の辞めてやる!というときに会社のどのような点が嫌か。そして自分が次にやりたい仕事、行きたい企業のビジョンができていれば、それは転職時です。
計画的に転職を行い、後悔しない転職をしましょう。