コールセンターで抜擢!昇格して本社に移動が決まったが……
当時私はコールセンターを運営している会社に勤務していました。
バイトからはじめたのですが、2年ほどして昇格して部下を持つようになり契約社員となりました。
そこでの仕事を認められたようで、さらに1年後に本社異動の話をもらいました。
人事部部長が当時の勤務していたセンターにやってきて面談をして、バイトで入って本社異動となるのは前例がないことと、これまで通りムードメーカー的な活躍も期待している旨説明を受けました。
自分の仕事をきちんと見ていてくれる人がいたんだと嬉しい気持ちで、そのセンターへの愛着もありましたが本社行きを引き受けることにしたのです。
本社に行くといきなり100人の前で挨拶をさせられました。
ムードメーカーにならなくてはとの意気込みもあったので、長くならないよう気をつけながらジョーク交えてつつがなく終えました。
結構な人数が笑ってくれて、場としては大いに盛り上がった印象でした。
その後で配属部署の席に着き、改めて部長と直属の上司である課長に挨拶しました。
課長の第一印象は真面目な人、でしたが、この人がとんでもない食わせ物でした。
部長がいる時といない時とで態度がまるっきり違うんです。
まず部長がいないところでは僕に挨拶すらしない人でした。
朝、僕が出勤する時間帯から部長は会議に出ていることが多く、僕は課長に挨拶するのですが、PC画面を睨んだまま、こちらに目を向けることすらありませんでした。
仕事もはじめての部署なのでイチから仕込んでもらわないといけないのに、課長は何も教えてくれませんでした。
教えてくれないだけなら、自分で盗めってことだと受け止められなくもないのですが、何か手伝わせてくださいと言っても、「別に今ない」とぼそっと言われるだけなのです。
本社で駆け上がって行くことを夢見て係長として異動したのですが、ほどなく僕の期待はしぼんでいきました。
これが地獄の始まりだったのです。
課長からいじめ!部下とも断絶され仕事も与えられず評価だけが下がる
僕は学生時代からいじめに遭ったことはなく、どちらかと言えばクラスの中心人物でした。
しかし人生初めてのいじめに、本社で遭ってしまったのです。
課長は僕以外の部下にも好かれてはいなかったので、僕に対する態度を見かねた部下たちは「大丈夫ですか」と僕に声をかけてくれることが多かったです。
しかしそれを課長は面白く思わなかったようです。
課長の考えは理解出来ないんですが、僕と部下が話す頻度を減らして関係を断絶させようと企んだらしいのです。
以降、課長から本来係長である僕に振られるべき仕事が、課長から直接平社員たちに振られるようになったのです。
僕は仕事を誰にも振られなくなりました。
異動前のセンターの上司から直接電話があって頼まれごとをしたり、日次業務を部長からおろされることはあったものの、僕の仕事は毎日それだけでした。
中長期的なスパンで会社の運営に携わって行くのが、部署の最大の仕事でしたが、そのメインの流れには組み入れてすらもらえませんでした。
最悪なことにその状況について課長は、部下たちに「あいつは仕事しない」「使えない」とのたまっていたそうです。
これは唯一辞める直前まで僕の味方をしてくれた他部署の女性社員に聞いた話ですが、当時はそんなこととはつゆ知らず、どういうわけか日に日に態度がよそよそしくなる部下たちと接し、頭がおかしくなりそうでした。
意を決して産業医面談を受けたが、何のサポートも得られず退職
このままではうつになるのではと様々なサイトで情報を検索しました。
すると「社内うつ」と呼ばれるタイプに該当するようでした。
僕の症状は、会社を一歩出れば全く元気だが、会社に来ると胸が締め付けられるような感覚に襲われるというものでした。
幸い友達にも家族にも恋人にも恵まれていましたから、会社外ではこれまでと変わらず順調だったのです。
しかし放っておくと社外でも症状が出るとの情報を得て、僕は会社の、産業医面談を無料で受けられる制度を利用してみることにしたのです。
産業医に関する知識がなく受診した僕も悪かったのですが、この面談があまりにも酷かったので僕は退職を決意することになります。
この産業医は、僕が出会った人間の中でも有数の聞き下手でした。
僕と課長との関係を一生懸命、それもそれほど長くなく端的に話しているのにいちいち遮って、自分はこう思うと言う主張を述べるのです。
僕はコールセンターの現場にいた人間ですから、お客さんの話を途中で遮ることがいかによくないことかわかっていましたから余計にこの態度にはムカついてしまったのです。
それでそのことを直接話してみました。
話を最後まで聞いてから意見しれくれませんか?と。
するとあろうことか産業医は激高して立ち上がり「こっちも時間を割いて来てますから、効率よく診察しなきゃならないんですよ!」と大声で言うのです。
プライバシーの為、この面談をすることは社内では人事部部長しか知りませんでした。
当然個室内で行われていましたが、部屋の外は廊下で、隣の部屋では会議が行われている状況でした。
そんな環境で大声を出されたら、社の誰かに知られてしまうと気が気でなくなり、僕はその部屋を出ました。
すると翌日、課長から呼び出されました。
産業医に何を話したんだ、俺のことを悪くでも言ったのか、と課長は面と向かって僕に言いました。
どこまで筒抜けだったのかは知る由もありませんが、産業医面談するほど悩んでいたことを課長に知られてしまった、そのことが僕が退職を決意した最大の理由でした。
これまで課長個人に苦しめられているものだと思って、我慢していたのですが、組織的に何かがおかしいと思ったのです。
今は辞めて良かったと思いますし、当時のことを思い返して苦しくなるようなこともありません。
けれどやはり今でもあの組織には不信感しかありません。
課長個人へは無論ですが。
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