専門学校で資格を取得し、希望を持って就職した憧れの美容室の現実
私が以前勤めていた職場は「美容室」でした。
小さい頃から髪の毛を触ったり、アレンジをすることが大好きで、おしゃれでかっこいいというイメージが美容師にあったからです。
美容師の専門学校に通い、国家試験で美容師免許も取得し、いよいよ採用していただいた美容室で働く日がやってきたのです。
新人アシスタントの仕事はサポートとチラシ配りとモデルハントだけだった
美容室に新人アシスタントとして入社しても、すぐにお客様の髪の毛を切ったりすることは出来ません。社内の技術チェックに合格するまでは、いくら美容師免許を持っていても、お客様に触ることは許されませんでした。
店の先輩のお昼ご飯の買い出しに行かされたり、掃除をしたり、初めはほとんどが雑用でした。
店の営業時間の2時間も前から出社し、シャンプーの練習をして、仕事が始まると接客はあまりすることなく、店内の掃除をしながら先輩の仕事を見る。
道具を手渡ししてサポートする。
くらいしか出来ません。
また、店のチラシを配りに行かされます。
チラシには目印が付いていて、そのチラシをもってきたお客様はどのスタッフが配ったチラシかがわかるようになっています。
集客に貢献したことになるのでみんな一生懸命チラシを配ります。
でも1000枚配って1人くるので上出来らしいです。
こんなことばかりで店にいる時間はあまりなく、なんのためにいるのかがわからなくなっていました。
営業が終わったら、今度は店の掃除と毎日使用するタオルを選択し、畳みます。
見習いのアシスタントには「1人100枚」というノルマがあって、それが終わったら夜の街に繰り出します。
夜の街で何をするかというと、「モデルハント」といって、練習をさせてくれる人を探して、声をかけて見つけるんです。
街で声をかけられたことはありませんか?
繁華街に行くと、大抵キャッチセールスか、ナンパか、美容師のモデルハントのどれかに声をかけられる若い人がいると思います。
私はそのモデルハントは一番苦痛でした。
でも練習モデルがいないと技術も上手にならないので一生懸命探して、初対面の人に声をかけ、何度も断られながら探し続けました。
練習は毎日のようにあるので、毎日毎日モデルハントをし、休みの日も繁華街に繰り出し、モデルハントをしていました。
しかも美容師は見習いのうちはお給料は本当に少なくて、労働基準法に引っかかるギリギリの賃金です。
同じ時間を働くなら、どこかでアルバイトをしたほうがずっとずっとお金を稼げる。
技術が上手にならない。
拘束時間がとても長い。
賃金が低い。
それにさらに追い討ちをかけることが待ち受けていました。
酷い手荒れで先輩やお客様から嫌がられ、仕事への意欲をなくしていった
1ヶ月もするとシャンプーや色々なことができるようになってきて、お客様と接する機会が多くなってきます。
しかし、毎日のように何人もシャンプーをしていると手が荒れ始めました。
グーをすると指の関節が裂けてしまうんです。
裂けたところはシャンプーがとてもしみて、もう泣きそうになるんです。
荒れた手指は見た目がとても悪く、お客様にも不快感を与えます。
毎日クリームを塗りますがシャンプーをすれば取れてしまいます。
清潔にしているのに、「汚そう」という理由でお客様に違うスタッフに変わってほしいと、他のスタッフ伝いに聞いたりすると、こんなになってまでどうして大変な仕事をしているんだろう?と虚しい気持ちになってくるんです。
先輩の美容師から
「そんなに手荒れしているなら手袋をしろ」と言われます。
でも傷が手袋にくっついて傷が痒くなってくるんです。
そうすると手を掻き始めます。
ますます手荒れがひどくなっていきます。
どんどん醜い肌になっていくので技術者のアシスタントについても断られるようになります。
どんどん私は積極性を失っていき、それが先輩のストレスのはけ口となっていくのです。
先輩からのいじめを受けるようになり、耐えられずついに会社を無断欠勤!
ついに私は先輩からいじめを受けるようになります。
昼食の買い出しも買ってきたものを「これは頼んでない」と自腹で払わされたり、先輩のアシスタントについても無視されるようになりました。
よく言われた言葉は「やる気がないならやめれば?」です。
やる気がないわけないのに、出来ないことがあるとすぐに言われました。
仕事の道具を隠されたり、服装がダサいから家に帰って着替えてこいと言われたり。
そしてついに仕事に行きたくなくなってしまったのです。
無断で会社を休んでしまいました。
無断欠勤をしたらもう出社できない!そのまま退職することになった
無断で休んでしまい、ますます会社に行きにくくなってしまいましたが、2週間後、人事の人から
電話がかかってきました。
「解雇扱いにされたくなければ退職願を提出してください」
私は他の会社でも同じ職業なら頑張れるかもしれないと思ったので退職願をすぐに送付しました。
ただ、どうしても出社はしたくなかった。
あの先輩に会うのが息が詰まってしまうほど大きなストレスだったし、保険証も返還しました。
無事に退職できたけれど、最後の月の給料が手渡しになると言われ、今まで振込みだったのに、なんて理不尽なのだと取りに行けないまま今に至ります。
こんな逃げるような形で退職しましたが、もっと良い形で会社を辞めることができたらなぁと今でも思います。
私は退職を無断欠勤という形で終わらせてしまいました。
当時は上京して一人暮らし。
相談相手もいなく、もう少し、心のゆとりがあったらよかったのかのしれません。
相談て大事ですね。
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