合同プロジェクトでリーダーを必死に務めていた
あるプロジェクトのリーダーをしていました。
自社の社員だけでなく、他社の社員も入った合同のプロジェクトでした。
なかなか難しいプロジェクトでトラブルもありましたが、会社の垣根を越えて、非常にいいチームワークをもってプロジェクトは進められていました。
ある日、新たなトラブルが発生しました。
顧客とも相談し、対応策を固めました。
顧客からは「難しいプロジェクトであるのは解っています。ですのでしっかりそのトラブルを解決し頑張ってください」とお言葉をもらいました。
そして、その後、トラブルや顧客とのやりとり、今後の対応策も含め社長に報告に上がりました。
社長とは旧知の中で、何でも言える関係でした。
ですので、トラブルについては何も隠すことなく、説明を行いました。
トラブルと対応策の説明を終えると、社長は「うーん、仕方ないね。けど損害は損害は発生しないようだね。大変だけど頑張ってくれ」と言葉をもらいました。
しかしその後、プロジェクトメンバーとミーティングをしている時にその事件は起こりました。
社長の思いがけない行動に全員が混乱!直談判しても話が通じない!
ミーティングは普通に行われていました。
いつも通り、真剣な議論もあれば、冗談を言ったり、そんな雰囲気で行われいました。
突然、ある若手社員が「すみません、リーダー、こんなメールが社長から来ているんですが。」と言ってそのメールを私に見せてきました。
そのメールでは「今、XXプロジェクトが行われているが、今回、こんなトラブルが発生した。会社としては大問題である。プロジェクトメンバーは本当に頼りない。他の社員はこういうことの無いようにしっかり業務をするように」といった旨が記されており、またトラブルの原因も私の報告とは全く違う内容が書かれていて、全社員に送付がされていました。
そのメールを見たメンバーの多くは、「ちょっとリーダー、社長に報告に行った時『社長もちゃんと理解していた』って言っていたじゃないですか。これじゃ社内の笑われ者ですよ。」と憤慨をしていました。
私は、慌てて、社長に面会を取り付けました。
そして社長との面談がスタートしました。
「社長、なんでこんなメールを全社員に送ったんですか。」とまず私が質問しました。
「事実を全社員に伝える必要があるからだ。もし君のトラブルが原因で会社の経営が傾くようなことがあったら大混乱になる。だから事前に社員に説明する必要があった」と回答があったので、「まず事実とは大きく異なる内容が書かれています。またトラブルが起きましたが、損害は発生しない旨説明し、了解してくれたじゃないですか。」と言いましたが「私にはメールに書いたように君の報告が解釈できた」と回答してきました。
そのため「どうしてもトラブルを非難したいなら、リーダーである私に責任を取らせればいい。メンバーは一生懸命やってくれているんです。私のことは無能リーダー扱いしてくれても構いませんが、メンバーは責めないでください。ですのでこのメールには誤りがあったと、再度社員にメールを出してください」と訴えました。
しかし、「そんな訂正メールをすぐ出したら社長としての威厳が保てないだろ。このメールは絶対撤回しない」と社長も態度を硬化させました。
社長の迷走は続く!取引先との連携を勝手に切る
非常に納得のいかないまま社長との面談は終わりました。
メンバーには「自分の責任。本当に申し訳ない」と謝罪をしました。
メンバーは誰一人、私を責めなかったので本当に悲しい気持ちになりました。
その2、3日後、私の父親が入院することになったので休暇を取りました。
病院で父親の看病をしていると他社からプロジェクトに参加しているメンバーから携帯電話が鳴りました。
「お宅の社長から、お宅とはもう手を組まない、って言ってきたんだけど、どういうことですか?」
「え、一体何のことですか?」と聞き返すと「よくわからないのですが、今日、ウチに連絡がありました」とそのメンバーが言ってきました。
私は慌てて社長に連絡をしました。
もう私は怒りが抑えられず「どういうことだ!俺が休んでいる時にこんなことするなんて卑怯じゃないか」と怒鳴りました。
社長からは「いや、君が苦しんでいる原因があの会社にありそうだったから、僕から話をしてやったんだ。事前に君にも相談しようとしたんだけど、休みと聞いたんでね」と平然と答えました。
電話を切り、怒りを抑えられないまま、その時点で私は辞表を書き始めました。
怒りを抑えきれず辞表を提出するも、部下や取引先から引き留められる
あくる日、私は出社し、社長に辞表を提出しました。
社長からは「急だね。辞めたければ仕方ないね」とだけ言われました。
その後、メンバーに会社を辞める旨、報告しました。
「ちょっと、なんでリーダーが辞めるんですか。辞表取り下げてください。俺たちバカにされても大丈夫ですから」と言ってもらえました。
その後、コンビを組む他社からは「ウチがわるいようだけど、何とかメンバーに残して欲しい」と連絡がありました。
その会社は悪くないのに、頭を下げてくれたわけです。
また、顧客からも「彼が抜けたら困る。プロジェクトは中止にする」と連絡がありました。
仕方なく、私は辞表を撤回しました。
社長からは「残りたかったらどうぞ」とだけ話がありました。
後で分かった裏事情!原因になった社長は辞任
後でわかったのですが、事の発端は、プロジェクトで活躍するリーダーの私に、社長が嫉妬していて、いつか貶めてやる、と思っていたらしいです。
社長自身、社長業はうまく行っておらず、ストレスが溜まっていたようですが、社長なのに、社員の活躍を喜ばないなんて、どんな社長だよ、と思ってしまいました。
その1年後、社長は辞任しました。
当然の結末だと思いました。
コメント