華やかな世界に憧れ、ブライダル業界へ転職
私は数年前に結婚式場に勤務していました。
それまでは、パチンコ店の店員や中古車の販売などの仕事をしていました。
結婚式と言えば、人生に1度きりの晴れ舞台です。
そんな幸せな瞬間に立ち会える結婚式場のスタッフの仕事をしてみたいと思ってブライダル業界に足を踏み入れました。
私はブライダル関係の仕事をしている人に華やかなイメージを持っていましたが、そのイメージはすぐに崩れてしまいました。
結婚式場の仕事は地味な準備の積み重ねだった
結婚式は幸せな瞬間です。
それを仕事に出来るブライダル業界は華やかな所だろうと思っていました。
しかし、その考えは甘かったと思い知らされました。
華やかな演出のためには、それなりの準備が必要です。
結婚式ともなれば、だいたい半年前から準備に取り掛かります。
その準備が思った以上に大変でした。
結婚式は週末に行われるので基本的に平日は週末に向けた準備期間となります。
私は結婚式場に勤めているときはサービススタッフ(主に式の運営を担当)として働いていたので仕事のほとんどは、式の準備になります。
引き出物の発注や式で使うキャンドルなどの制作です。
想像以上に地味な仕事です。
そして式の規模によってはその準備はかなりの時間がかかります。
華やかな世界ばかりをイメージしていた私は期待を裏切られたような気分でした。
休みは週一、長時間労働が当たり前の過酷な環境に転職を考えるように
私はブライダル業界は初めてだったので、実際に働くまで分かりませんでしたが、ブライダル業界の労働環境は非常に悪いです。
お客様をお迎えする場所なので、汚いとかはありませんが、長時間労働や賃金の低さなどは私の想像を遥かに超えるものでした。
私の場合、出勤時間は朝10時、仕事が終わるのは基本的に深夜2時前後でした。
1日平均約15時間ほどです。
当時の給料は入社3か月目で、手取りが約15万円。
休日は週1日。
という感じでした。
毎日帰宅するのは朝方になり、睡眠時間は4時間ほど。
体力的にはかなり辛かった記憶があります。
なぜ、こんなに勤務時間が長くなってしまうかというと、簡単に言えば、お客様が居るからです。
平日でも会場見学に来られる方はいます。
会社としてはせっかく来ていただいたお客様を逃がしたくはありません。
会社の運営の事を考えれば当然の事ですが、度が過ぎていたと思います。
お客様が式場を決定するまで、帰さないのです。
お客様が居れば私たちスタッフが帰る訳にはいきません。
お客様がいる間はスタッフ全員でおもてなしをするのが会社のやり方だったので、週末の式に向けた準備も停止して来館しているお客様の対応に入ります。
そしてお客様が帰った後に準備を再開するので、仕事が終わるのが夜中になってしまうのです。
この方針に納得できず、辞めていったスタッフも数多く見てきました。
そんなスタッフを見ていて私自身も転職を考えるようになりました。
ブライダル業界で働いてみてわかったこと
結婚式を作るという仕事は素晴らしい仕事だと思います。
それは今も変わりません。
しかしその裏には過酷な労働環境があるんだなと思いました。
もちろん全ての結婚式場という訳ではないと思います。
私が勤めていた会社は慢性的に人手不足でした。
週末の式の運営には派遣スタッフを呼ばないと対応できないような状態だったのです。
華やかなものを作る裏にはそこで働く人の努力が欠かせないんだなと感じ、それと同時に私にはその意識が足りなかったと思いました。
もちろんそういう仕事は今でもやりたいと思いますが、自分にはそこまで他人の為に必死にはなれないと思います。
華やかな仕事に憧れて足を踏み入れましたが、私には無理でした。
好きを仕事にする。人に為に自分を犠牲にする。
それが私にとって簡単に出来るものであれば、今もブライダル業界で働いていたと思います。
しかし、好きを仕事にするのは簡単な事ではありませんし、人の為に自分を犠牲にするのも言葉で言うよりも相当難しいことです。
その大変さを実感できたことは1つ自分の為になったなとは思います。
結果、ブライダル業界から転職したけど、自分の成長に繋がった
私は結果的にブライダルの世界で働いていくのは無理だと思い、転職をしました。
転職後は飲食店で勤務しています。
ブライダル業界で働いた期間は約1年間です。
体力的にもかなりキツイ期間でしたがそこで得たサービスの知識やおもてなしの心は、自分の力になっています。
辞めてしまいましたが、自分の成長には繋がっていると思います。
人の為に自分を犠牲にする大変さなど飲食業にも通じる所があります。
華やかな世界の裏には相当な努力や労力があること、ある意味仕事の本質、サービス業の本質を体験できた期間だと思っています。
そして今、ブライダル業界で働く人の素晴らしさも分かりました。
また、ブライダル業界だけでなくサービスの仕事をしている人の気持ち、大変さが分かった気がします。
この転職、経験を無駄にすることなく、サービス業界で働く一員として毎日の仕事を頑張ろうと思います。
コメント