就職した商社ではいつもヘルプ要員!居場所を見いだせず天職を考えた
私は、短大を卒業して商社へ就職しました。
商社といっても、海外の衣類や雑貨を販売している店舗での販売員で、特に特別なスキルなどは必要なく、笑顔で接客をしていれば良いというものでした。
勤務先は大阪心斎橋にあり、5階建ての自社ビルで、各フロアごとに衣類や雑貨などを販売しているところでした。
私の同期は10人ほどいて、各フロアにそれぞれ配属され、私はアウトレットを販売するフロアに配属されることになりました。
ほかの同期は、婦人服売場や子供服売場、雑貨売場などに配属され、レジなどの仕事を任されているのに対し、私はその会社にとってはあまり力をいれていないアウトレット売場で、接客した任されなかったので、自分でもあまりこの会社にとって必要ないのだと感じてしました。
それでも毎日がんばって、笑顔で接客をおこなっていましたが、入社してしばらく経つと、ほかのフロアが忙しくなった時の応援として、私がかり出されることが増えていきました。
最初は1時間程度だったものが、徐々に時間が伸びていき、毎日いろいろなフロアを回されるようになっていきました。
そのころになると、自分が何のためにこの会社に入ったのかよくわからなくなり、毎日違うフロアで接客していることに嫌気がさしてきました。
同期はどんどん仕事を任されていくのに対し、私は自分の持ち場に帰ることができず、いつまでたってもヘルプとしての扱いだったので、転職を考えるようになりました。
接客業から全くの未経験でCADオペレーターに転職成功!
何事も石の上にも三年といいますが、私にとっては三年は長すぎ、結局一年で退職することにしました。
もともと接客の仕事は好きでしたが、どこにいっても自分の居場所がなく、この会社にとっては必要ない人間なのだと感じてからは、とにかく苦痛で仕方ありませんでした。
しばらく接客の仕事はやめて、新しい職種を探していたところ、設計事務所でCADスタッフが募集されているのに目が止まりました。
正直言ってCADが何なのかも全くわかりませんでしたが、とにかく初心者歓迎ということだったので、ダメもとで面接を受けることにしました。
設計事務所といっても、私が面接を受けたのは、鉄塔の図面を描く部署で、面接の時に鉄塔の図面を見せられましたが、まったく理解できませんでした。
また、今までどんな仕事をしてきたのかを面接で聞かれましたが、正直に接客業をしていたことを告げると、設計事務所にそんな人は来たことがなかったらしく、すごく驚かれたのを記憶しています。
ダメもとで面接をしましたが、なぜか受かってしまいました。
後で理由を聞くと、CADをある程度使ったことがあったり、設計の知識を持っている人は、余計な知識があるため教えにくく、ど素人の方が教えやすいので、私を選んだということでした。
今までパソコンはほとんどさわったこともなく、もちろん図面の読み方も知らなかったので、自分でもこの仕事ができるのか不安はありましたが、丁寧に一から教えてもらったおかげで、すぐに図面を読めるようになり、CADも使えるようになりました。
今までアルバイトも含めて接客しかしたことがなかったため、自分にできる仕事やむいている仕事は何かがわかりませんでしたが、CADで図面をかけるように描けるようになっていくと、この仕事は楽しいと思えるようになっていきました。
いわゆるデスクワークが自分にむいているとはそれまで考えたこともありませんでしたが、仕様書や設計図をみて自分で一から図面を描いていくこの仕事は、今までで一番充実した仕事だと思いました。
ステップアップのために転職!CADオペレーターとしての技術を磨いている
接客しかしてこなかった私が、ある程度一人で図面をかけるようになり、3年ほどその会社で働いていましたが、その頃には、もっと自分の力を試してみたくなっていました。
丁度そのころ、同じ職場でおつきあいしていた人とも別れてしまい、気まずい思いをしていたので、転職することにしました。
以前退職した時には、次になにをしたいかなども考えていませんでしたが、今度の転職は自分のステップアップだと考えていたので、CADオペレーターの仕事を探すことにしました。
そのころには、ある程度CAD操作もスムーズに行うことができ、図面も読めるようになっていたので、すぐに新しい職場を見つけることができました。
丁度同じCADを使用していたので、スムーズに使用することができ、CADオペレーターというよりもトレーナーという感じで、CAD操作を教えることが多かったです。
それでも新しい職場は新鮮で、今まで鉄塔の図面を描いていたのに対して、温度センサーの図面を描くことになり、全く縮尺も構造も違う製品で、最初は戸惑いましたが、今まで自分が知らなかった知識を吸収することがとても楽しくて、やりがいがありました。
転職は、全く知らない場所で一からの出発になるので、最初は不安がありますが、その中で自分の力を発揮できる可能性がありますから、私は転職してよかったと思っています。
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