2年かけて念願の退職!私がシティホテルのフロントを辞めた経緯
私は3年前、念願の寿退社をしました。
念願だったのは世の女性が憧れるという「寿」ではなく、「退社」の方です。
辞めたいと思いながら働くこと2年、退職の意思を伝えてからも半年間は結局働き続けたため、退職日はそれはそれはハッピーでした。
なぜそこまで辞めたかったのか、振り返ってみます。
クレーマーの対応で残業ばかりだったシティホテルのフロントの仕事
私が働いていたのは客室数500室、レストラン4店舗、宴会場17部屋のシティホテルです。
その中でも花形と言われるフロント係でした。
就職活動中の第一希望業界でしたし、新入社員として最初に希望のフロントに配属されることはとてもエリートだと言われていました。
全て自分の希望通りです。
キラキラした気持ちでロビーに立ち、髪型はしっかりまとめ、お客様に「ありがとう」と言われることにやりがいを感じる毎日。
とても疲れますが充実していました。
しかしそんな日々も新人で居られた数ヶ月で終わります。
それまでは困ったことがあれば先輩に代わってもらっていました。
先輩も驚くほどすぐに対応してくれていました。
自分に後輩が出来てはっきりとわかりましたが、サービス業にクレームは付き物です。
最初の対応でしくじると、大変なことになります。
その大変なことを、新人ではなくなってから経験するごとに私は辞めたくなってしまったのです。
もちろんこちらが間違った案内をしてクレームになることはありますが、それは反省をして気を付けます。
困ってしまうのは、どうしようもない理由のクレームです。
ホテルの場所が悪い、ホテルが古い、中国人団体がうるさいなど。
こちらもホテル側として検討すべきことはありますが、入社一年目の私には、そんな事言われてもと思っていました。
更にクレーマーというのは、なんとかして料金を払わないように誘導したり、土下座をしろ、すぐに口コミに書くぞ訴えるぞと怒鳴りつけます。
23歳の私は、強い口調で罵られるだけで涙が出てしまい、自信なんてなくなってしまったのです。
最初は感謝されることにやりがいを感じていた仕事も、気付けば怒らせないようにとビクビクするようになり、働くことが辛くなっていました。
また、サービス業は主に土日や大型連休に働きなおかつシフト制です。
社会人になって、友人が飲み会や旅行を企画しても参加できないことがほとんどでした。
返事がいつもNOの私はだんだんと誘われなくなっていき、辛い仕事の気分転換の機会さえ失っていきました。
プライベートを犠牲にしてまでやりたい仕事ではありませんでした。
職場ではパワハラが蔓延!退職の希望を伝えてもズルズルと引き伸ばされる
クレームがよく起きる現場でしたが、更に最悪だったのは人間関係でした。
ホテル全体的に20代半ば~30代の層がとても薄く、新人かベテランいう構成です。
(わたしも26歳で退職したため、その現象を更に加速させた1人でもありますが。)
そのため、仕事もできて柔軟性のある人はほとんどいません。
意欲的に後輩を指導する人もおらず、ベテランの中にはやる気がなくただずっと在籍しているタイプと、パワハラのように一緒に働くのが嫌なタイプに分かれていました。
私はそんなパワハラ上司にやられてしまいました。
仕事全てにケチを付け、定時になり仕事が終わっていても帰してくれないこともよくありました。
人格を否定するような発言や、突き飛ばされたこともあります。
そして助けてくれるはずの上司は見て見ぬふり、残っているわずかな同世代とお互い励まし合い慰め合う日々でした。
業界的にそういった傾向があるとは思いますが、とても普通の職場ではなく、耐えられるものではありませんでした。
仕事が忙しい時も助け合う雰囲気は全くない環境でした。
多忙日は仕事が終わった人は逃げるように帰り、落ち着いている日もラッキーと言わんばかりに帰ります。
わたしもそうです。
誰も助けてくれないから、わたしも助けない、損はしたくない、そんな気持ちでした。
退職の意思を伝え承諾をもらっても尚、色々な理由を付けては退職日を引き伸ばされてしまい、夢のカウントダウンもいつまで経っても終わらない毎日でした。
退職後はパートやハンドメイド作品の販売をして暮らしている
ここまで傍から聞くと甘ったれのような内容ですが、そもそも働くことに向いていないのかと思いました。
それでも働かなくてはいけないし、もしかするともっと自分に合う仕事があったのかもしれません。
そしてそれも本当に甘い考えだということは承知しています。
しかし退職してからは本当に幸せでした。
ハンドメイドサイトで自分の作ったものを売ってお小遣いを得たり、その後パートに出ましたがとても良い環境でした。
働くことに対して、業界に対して甘かったのは事実です。
それでも退職できたことは本当に良かったです。
退職して3年経ち出産を終えた今も、前職のホテルからは戻ってきて欲しいと連絡がきます。
自分には合わなくて大嫌いな職場ですが、それでもあちらはこんなにもずっと必要としてくれてるのかと思うと、なんだか不思議なものです。
働く上で、需要と供給はなかなか合わないものなのだなと思います。
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