30代を前に不動産関連の制作会社を退職
不動産関連の制作会社に勤務しはじめた時、27歳でした。
制作会社と聞いていましたが実際はマンションの図面とマンション周辺の環境調査がメインの会社でした。デザイナーは私を入れて2名。
当時デザイナーとしてのスキルが浅かった私には当然先輩がついて教えてくれるのかと思いきや、私の入社当日に先輩が退職。
引き継ぎもろくに行わないまま仕事をこなしていかなければなりませんでした。クライアントさんとやりとりした経験も浅いまま、いきなり実践。
社長がやる気のない人で、仕事に関してはほぼ口出しをしないので若い先輩が会社をまわしているようなものでした。
部署は違うものの先輩の支えもあり、なんとか作品集にできるくらいまで仕事で実績をつむことができ、30を前に転職を決意しました。
やはり、デザイナーがデザイン力を強化させるにはできる先輩についてどんどん技を盗むのが早いと思いましたし、このまま不動産広告だけ作っていてデザイナーといえるのかと今の自分に疑問を持っていました。
その頃は実家暮らしだったので、家賃は0円。
家族に甘えて会社を辞めてから転職活動をすることになりました。
理想の会社に出会えるかもちろん不安はありましたが、このままこの会社にいてもたいしたスキルがつかないまま30歳。
30歳からは採用の枠もぐっと縮まってしまうと聞いていたので、思い切って退職しました。
派遣会社からアドバイスを受け、自分が求める職場がはっきりした
そうして、私の転職活動がスタートしました。
まずは派遣で働くのはどうかと考え、派遣会社に登録しました。
この地点で2回目の転職活動。
ブラック企業にあたってまた転職となると履歴書が汚れてしまうなと思い、短期派遣で自分にあった職場を探すのはどうだろうと考えたのです。
しかし、派遣会社からの答えは意外にも…「まだ若いし、これから結婚出産を経ても働きたいと考えているならば、そういう制度のととのった会社に就職したほうが今後の為だと思います。派遣社員にはいつでもなれますけど、正社員はそういうわけにはいかないので」と。
派遣会社からの意外な返答にびっくりしましたが、これで自分の求める会社の条件が見えてきました。
・女性のライフスタイルの変化にしっかり対応できる会社
・デザイナーとして成長できる環境があること
・女性にむけた案件を多くこなしている会社
これを譲れない条件として転職活動をスタートしました。
転職活動も2回目なので、書類は問題なく通るようになり、面接でも緊張せずに会話がなりたつようになりました。
結果、3ヶ月の転職活動で10社ほど面接を受け、3社内定をもらうことができました。
どの会社の女性が面接を担当してくださったので、話が伝わりやすかったんだと思います。
A社は化粧品広告が主な制作会社。残業が多くハードですが、自分が成長できる環境はあると感じました。
B社は食品広告が主な制作会社。A社と規模は同じくらいですが、圧倒的に女性社員が多く、残業体質ではなさそうなイメージを受けました。新卒採用もしているとのことで、若いデザイナーと育てていきたいとの思いが伝わってきました。
C社は地元の不動産広告を扱う会社のデザイン部。
女性は多いのですが、会社全体が体育会系な雰囲気で、残業がなく体力に負担はかからない変わりにスキルアップを狙うのも難しそうな会社でした。
いろいろ悩みましたが、面接で社内の空気が自分に合うと感じたB社で働くことにしました。今まで転職活動のスパンが短く、内定をいただいたところに即決してきたのでこんなにじっくりと会社と選んだ経験は初めてでした。
だから、失敗のない転職活動ができたのだと思います。
デザイン会社の中でも働きやすい職場に転職成功!
きちんとした制作会社に所属するのはこれが初めてだったので、若干緊張しながらの初出勤。
初日からディレクターさんが私についてしっかりと指導してくれました。
今までデザイナー1人という環境のなかで作業をしていたのでとても心強い気持ちになったのを覚えています。
どんなに忙しくても、べてらんディレクター陣が業務の内容をしっかり説明してからデザインに入るので、とにかく手を動かさないと!という状況ではなかったのもありがたかったです。
また、女性が多い会社だったので、残業体質ではないのも魅力でした。
デザイン会社と言えば夜が遅く、サービス残業の多いブラックがあたりまえ。
同業の会社よりは退社時間が早く、徹夜もありませんでした。
そんな環境の中、2年半勤務しデザイン力もずいぶんアップしたように感じました。
働きやすい環境ではありましたが、女性のライフスタイルに対応しているかはまた別問題でした。
同業の中では残業は少なめですが、それでも平均退社時間は21時。
結婚して家庭をもったとたん家事とのバランスがとれずに退職することになりました。
同時は女性は全員独身だったために、産休制度もありませんでした。
そんな中で勤続年数の一番短い私から時短勤務や産休制度をつくる自信もなく、あっさりと辞めてしまいました。
当時は女性のライフスタイルの変化にも対応してくれそうな会社だと思っていたのですが、実際に結婚してみると会社に残るという選択肢は一番先に消去されてしまいました。
女性のライフスタイルの変化に対応できる会社にしていくことは忙しく少人数の会社では難しいことなのかもしれませんが、今後の課題だと感じました。
そういった理由で退職はしましたが、じっくり転職活動をしたおかげで理想の会社に出会うことができて、濃い20代後半を過ごすことができました。
コメント