商社の法人営業職に新卒で入社!ベンチャー気質がいいと思ったけど……
私は新卒で、東京都内のとある専門的な機械の商社に勤めていました。
職種は法人営業職です。
営業職は常に新規開拓を行っており、売り上げがお給料に反映されていました。
その会社は業界内でもベンチャー気質の会社として有名で、成長できることや、若いうちから大きな仕事に携わるチャンスがあることが謳われていました。
入社してすぐにブラック企業だと気づいた!泊まり込みが当たり前の職場
新卒で入社してから、いわゆるブラック企業だと気づくのに時間はかかりませんでした。
先輩方はよく泊まりこんでおり、かつ残業代などは一切支払われていませんでした。
朝、会社にいくと、床に置かれた寝袋で誰かが寝ていたり、前の日と同じ服で、書類が山積みになった机にずっと向かっていたりしました。
そのくせにタイムカードは全員つけており、異常な時間の記録が全員きっちり残っています。
つまり、もしかしたらブラック企業というより単なる「考えなし企業」だったのかもしれません。
また、経費削減のためエアコンの使用が禁止されていたので、夏は氷らせたペットボトルを氷嚢のように抱きながら、冬はコートを着込んで、仕事をしていました。
これは事務所も応接室も同じだったので、来社してくださったお客様にも不快な思いをさせ、申し訳なかったです。
月曜から金曜の毎朝、始業前の1時間と、週末土曜日には2週に1度のペースで、自主参加の名目での研修が行われていました。
会社側の理論は「会社は参加を強要していません」というスタンスです。
「あくまで自主的に勉強したい人のみが参加している研修なので仕事ではない。よって無給です」でした。
であるにも関わらず「参加をしないということは、仕事へのやる気がないとしか思えない」ということで、参加しなかった社員には減給や、ボーナスの査定を悪くするという措置がありました。
参加しても無給なのに、不参加だとマイナスという対応です。
また、営業職の場合、「営業は商談するのが仕事。つまりお客様と商談している時間だけが勤務時間である」という社長の理論のため、定時までは営業をし、それ以外の作業は全て営業時間外にやるよう指示されました。
営業職は、商談する以外にもたくさんの仕事があります。
見込み客を探す調査をしたり、提案書や見積書や請求書をつくったり、納品のスケジュールを組んで業者を手配したり。
それらは全て、時間外にやるように指示されました。
もちろん残業代はありません。
あるとき大学生のOB訪問を受けました。
話を聞きたいという大学生たちを会社側がとりまとめ、若手社員に対応を割り当ててのことでした。
私が担当した学生さんは残業や時間外について質問してきました。
よって、私は聞かれたことに対し事実を淡々と説明しました。
私は会社と社員どちらの肩をも持たず、話を盛らず、事実をありのままに話しました。
すると後日、人事部から呼び出しをうけて「残業代がないと学生に語ったのは本当ですか?」と詰問されました。
そして「当社の社員は自発的に仕事をしている。自発的に研修に参加している。どちらも会社が強要したわけではないので、それは時間外労働ではありません。よって残業代が払われないのは当然です」と懇々と説明されました。
もうこの会社の一員であるのは嫌だと思いました。
長年この会社に勤めた上司は、完全にブラックな働き方に染まっていた
まずは一番身近な先輩に相談しました。
先輩の答えは「そうだよな」でした。
実際に周りを見ていると、学歴の高い順に退職・転職をしているのが明白でした。
つまり、できなかった人が辞めていたわけではなく、可能性のある人の順に辞められていたのです。
また、お給料が少なかったため、結婚が決まった人はその会社を辞めるというセオリーもありました。
家族を養える給料ではない、家族との時間を過ごせる勤務時間ではない、という判断です。
結婚しても勤め続けている人は、社内結婚の人くらいでした。
そのような環境であることを話し、やめるしかないと思いました。
なお、その先輩も私のすぐ後に退職しました。
次に、直属の上司に話しました。
その人は会社の方針にしっかり従って何十年もやってきた人なこともあり、会話が噛み合いませんでした。
「週末にまで会社を開けて、無料で勉強の機会をくれる会社なんてありがたいじゃないか」
「必要だと自分で思ったから自主的に夜も残ってるんだろう」
「ここでやっていけないなんて、どこに行っても通用しないぞ」
という話でしたが、よく考えたらその上司は、その会社以外で働いたことがない人でした。
退職の決意を固め、人事と上司両方に退職願を届けて有給取得!
結局退職の決意をしました。
相談するとゴネられる可能性があると思ったため、上司と人事総務部の両方に、同時に退職願いを届け、一気に有給を1週間とりました。
引き止めるメールや電話がたくさん来ましたが、断固として交渉には乗りませんでした。
辞めるには、少しでも交渉する余地があると思わせたらいけないと思ったためです。
そして、会社側が私がいないことに慣れた一週間後に、再度出社し、最後の手続きをしてやめました。
大変スッキリしています。
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