仕事の電話のベルの音が脳裏に張り付いて離れない!辞めたいと思った瞬間
電話のベルが聞こえる。
バスでも、ショッピングモールでも、家でも。
耳の鼓膜に張り付いたようにベルがどこでも聞こえてくる。
それが耳鳴りなのか、幻聴なのか、それすらわからない。
私が仕事を辞めたいと思ったのはそれがきっかけでした。
文系だったのに医療系のコールセンターに就職してしまった
私は医療系機器のコールセンターに勤めていました。
元々文系で、医療には全く興味がなかった私がなぜそんなとこに勤めたかというのは内定が出たからとしか言いようがありません。
私が就職活動をしていた頃、リーマンショック世代ほどではありませんがそこそこの就職難でした。
文学部の中でも就職率が悪いと言われている哲学科で、しかもサークルにも入っておらずゼミも最低限しかやってない、資格もないとなるとただでさえ難しい就職活動は厳しいものでした。
自業自得とはいえ、面接にもなかなか通らず難儀していた私にとってようやく出た内定はもう二度と手に入らず、絶対に手放してはいけないもののように思ってしまったのです。
同じように入社した同期は10名ほどいました。入社式は和気あいあいとした空気で終わり、そのあとはみんなで飲み会に行って、とてもいい同期に恵まれたと私はホッとしました。
入社式の翌日から研修が始まりました。
この後、コールセンターに配属されるのですがこの研修は本当に電話の取り方を最低限、いわば電話の使い方や簡単な敬語を習うだけのもので一日で終わりました。
それが終わった次の日には電話機の前に座らされ、コールセンターにかかってくる電話をすぐに取らされました。
医療機器のコールセンターの特殊さが大きなストレスになった
医療系のため、当たり前なのですが電話をかけてくる相手は全員医療従事者の方でした。
ほとんどが看護師の方だったのですが医者の先生が直接かけてくることも多々ありました。
しかし我々は医療など一切携わったことがない素人、相手が言う医学用語や医療機器の言葉の意味すらわからずメモすら取れない始末でした。
メモも取れないので先輩に聞きに行こうにも何を聞けばいいかわからないのです。
また医療系機器なので向こうには患者様が待っていることも多く、そうなると保留が長引けば長引くほど向こうも苛立ちが増し、怒鳴りつけられることも多々ありました。
自分では手に負えないと感じた時は先輩に電話を変わってもらう時もありましたが、そうなると自分の代わりに先輩が怒られることもあり迷惑をかけるのがとても辛かったです。
勉強会など学ぶ場はありましたが、いかんせん今まで何も医療に関することを学んでこなかった自分にとって勉強はしてもしても追いつく気ができませんでした。
毎日毎日、自分に自信がないまま鳴り続ける電話を取る。
怒られる。
呆れられる。
何より、医療関係なので自分のする仕事がいつか誰かの身を危険にさらしてしまうのではないか。
電話口で答えた一言が、いつか大きな問題につながってしまうのではないか。
その恐怖心は自分にとってはとても大きなストレスでした。
退職を決意し、働きながらスクールに通い転職準備
それでも二年、この仕事を続けました。
しかし通勤でも休日でも電話のベルに追いかけられるような錯覚がひどくなり出勤が怖いと思うようになってしまった日、もう自分には向いてない、やめなければいけないと決心しました。
ただ辞めるにしても生きていくにはお金が必要です。
私には決心したその日に退職願を出す勇気はありませんでした。
転職するにしても、次は何をしたいのか。
したいことは将来ずっと続けられるものなのか。
勤めるためには何が必要なのか。
まずそれを自分で納得できるまで調べることにしました。
調べた結果、私が次にしたい仕事は未経験では厳しく、最低限夜間のスクールにでも通ってから転職活動を始めたほうが有利と判断したので半年かけて通いました。
私が勤めていた会社はシフト制で早く帰れる日があったため、好きな時間帯に授業が受けれる制度のスクールを選んで仕事後や休日に通いました。
辞めると決めてからの仕事はただがむしゃらに頑張っていた時と比べ、少し気持ちが楽でした。
終わりが見えると見えないでは精神面は大きく違いました。
スクールを終えた後から転職活動を始めました。
希望条件より給与や待遇は多少下回っていましたが、未経験でも雇ってくれるところから内定をいただけたのでそのまま退職の相談を上司にしました。
ちなみにこの間、同期や先輩には相談しませんでした。
なんとなく、引き留められるのも応援されるのも嫌だったからです。
3ヶ月後退職してそのまま次の会社に入社しました。
自分に合っているかどうかも考えずに就職してしまったのが悪かった
私が辞めたのは、自分が合っているかどうかも考えずに就職してしまったことが一番の原因だと思っています。
辞めたくなったなら、辞めるよりまず先に自分が本当にしたくて自分に合っている仕事は何かを一度真剣に考えるのがいいのではないでしょうか。
仕事だけが人生ではない、とは思うのですがやはり仕事をしないと生きていけない。仕事を辞めたいと思うときは、将来をどうしたいのか考えるきっかけなのではと思います。
コメント