サービス残業が当たり前のブラックなスーパーマーケットで働いていた
私は以前あるスーパーマーケットで、日配品・加工食品担当として5年ほど勤めていました。
その会社はローカルチェーンでしたが地方の中では知名度は高く、競合の中では規模は大きい方でした。
小売業は一般的に長時間労働・低賃金が当たり前で、この会社もいわゆるブラック企業だったように思います。
私は朝の7時くらいから夜は8時9時くらいまで働いていました。
いくらやってもキリがないため、もっと遅くまで仕事をしている同僚や先輩も多かったですが、自分はある程度見切りを付けて帰るようにしていました。
もちろん上司は良く思っていなかったようですが。
店長・副店長やバイヤーになっている先輩社員に共通しているのは、自分とは比較にならないくらい若いころにサービス残業をしていることでした。
もちろん売上を伸ばしたなどの実績で評価されてはいますが、長く仕事をすることが出世の最低条件であり、それが社員の「普通」という認識が会社全体の空気としてありました。
私は出世をしたいという欲はありましたが、家庭や自分自身の体をまったく考えない働き方に抵抗があり、最低限文句は言われない程度のサービス残業しかしていませんでした。
残業時間ですが、会社や上司は「残業をつけるな」とはストレートに言えないため、一応申請すれば受理され残業代はもらえるような仕組みでした。
しかし、バカ正直に申請を出し続けると多すぎると店長から叱責され、それでも申請を減らさないと本部から「なぜ残業がこれほど多いのか」と問い合わせが来ることもありました。
結局上司や本部に目を付けられると面倒なため、多すぎず少なすぎずの残業時間を申請するしかないという状況でした。
年数が浅いうちは「どこの会社に行ってもよくあること、経験を積めば自分の要領もよくなり会社の環境も良くなるかもしれない」と思っていました。
仕事は減らないのに人件費が減らされる!出産を機に転職することにした
入社して3年目くらいまではこれが普通、もう少ししたら少しずつ給料や待遇は改善されていくのではないかと思いながら働いていました。
仕事は大変でしたが、楽しいこともほんの少しではありますがあったため、何とか続けて来られました。
しかし、その間に自分より下の社員がどんどん退社したり、出店より閉鎖店舗の数が上回ったりと暗い話題ばかりが続くようになりました。
会社の業績も当然悪くなり、売上の下降は続くも人件費を中心に経費の削減をし続けることで利益を捻出するという、減収増益の決算が数年続きました。
会社はとにかく1円でも黒字の決算にすることに必死で、なかなか上げることができない売上の代わりにどんどん人件費を削るという方向に舵を取ることにしたようで、現場では欠員が出た部門に補充の人員が配置されなくなりました。
中堅以上の社員には早期退職も進めていたようで、残ったメンバーにしわ寄せがくることになり労働条件は悪くなるばかりになりました。
そのため私は4,5年目くらいにはほとんど先に希望を見出すことができなくなり、ただただ不安の中で働いていました。
同期入社の仲間たちが退社したという話は毎年のようにあり、5年の間に半分ほどは辞めてしまいました。
私も辞めたいという思いはずっと持っていましたが、転職の不安などからずっと先延ばしにしていました。
しかし、入社して5年目のころに家族が増えることがわかり、将来を考えて行動を起こすことにしました。
転職を決意するタイミングはそれぞれだとは思いますが、私はこの出産というタイミングを逃せば自分の年齢も考えておそらく転職することはできなくなるだろうと思い、思い切って行動に移すことにしました。
退職後に転職活動!不安になりながらもなんとか2ヶ月で次の職場が決定!
私は転職を決意してからまず最初に再就職までのスケジュールを組むことにしました。
自分の有給が何日残っているか、有給買取はあるのか、引っ越しも同時にすることになるがどのタイミングでするかなど現在の状況を整理した上で会社に最終勤務日と有給消化しながらいつまで会社に籍を残すかを伝えました。
調べてみると有給が2か月分くらいあったため、退職してから集中して転職活動をする計画を立て、とにかく退職から再就職までの空白期間を作らないことを目標としました。
ネット上ではいくつかの転職系のナビに登録し、自分が少しでもやりたい仕事の情報を集め、自己PRや履歴書の添削をしてくれるサービスも利用しながら準備を進めてきました。
そして何社か面接を受けましたがなかなか結果がでず、自分が定めた退社して2カ月という期限ぎりぎりのところでなんとか採用が決まりました。
会社を退職した時は少しゆっくりしながら転職活動を、と甘く考えていましたが実際は退職した翌日から将来への不安と戦う日々が続いたため、少しも気の休まる日はありませんでした。
再就職が決まった会社は会計や経理関係の職種で、仕事の経験は無いものの私が学生時代に取得していた日商簿記2級の資格を評価してくれたようです。
労働条件も非常に恵まれており、サービス残業はまったくなくなりました。
結果的に大満足の転職活動となりましたが、だからといって転職を他の人にもどんどんおすすめしたい、とは思っていません。
実際転職活動中は自分のスキルのなさを痛感することばかりで、もっと再就職まで時間がかかりそうな上に給料など条件面も大きく悪化しそうな見込みの方が強かったと思います。
今でこそ転職する人が少しずつ増えてきたため、会社も中途採用をすることが増えてきているようなニュースが流れていますが、まだまだ社会は中途採用には否定的な考えの方が強いです。
転職を考えられている人は、多少時間をかけてでも自分の本当にやりたいことや今の会社の良い点・悪い点をしっかり考えることが大切なのではないかと思います。
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