日鐵商事株式会社、名古屋支店の重鎮であるお局様
私な子供を出産するまで、日鐵商事株式会社という所で、営業事務をしていました。
新日鉄系のお堅い会社だったので、親も安心し、喜んでいました。
そこで私は鋼板部鋼板チームという、主に鉄板を扱う仕事につきましたが、そこには、名古屋支店の一番の重鎮がいることは全く知りませんでした。
そんなことも知らずに入社したのですが、誰もそのお局様が恐くて、私に「あなたのチームではおとなしくしておいたほうがいいわよ」「お局様には仕事が分からなくてもきいてはいけないよ」とは教えてくれませんでした。
部署内で誰もが恐れる存在のお局様
始めの頃は、自分に課せられた、目の前の仕事をこなすので精一杯で、お局様のことなど、何も気にはしていませんでした。
しかし、一週間ほどした頃でしょうか。
何となく、お局様は無口な人なのかと思うようになりました。
その理由は、私が仕事のペースがつかめなくて残業をしていると、他の先輩方は皆、「大丈夫?」「無理しちゃだめだよ」「手伝おうか?」「ごめんね、お先に失礼します」などと、声をかけてくださるのに、お局様だけは、同じチームにいるのに、一言も何も言わずに帰っていくのです。
正直、それに気がついてから、冷たい人なのかなと、少しおもうようになりました。
まじめに仕事をしてお局様ともうまくやっていた
仕事もうまく回りはじめ、お局様が無口だと気がついてからは、私もお局様は気にしないようにしていました。
皆、お局様にはヘコヘコしていましたが、私はそういうこともしませんでした。
しかし、お局様に言われたことだけはしっかりとするようになると、お局様もいい距離感がとれると思ったのか、この子は使えると思ったのか、少しずつはなしかけてくれるようになってきたのです。
このまま、私にも話しかけてくれるようになってくれるのかなと、淡い期待をしましたが、それは、本当に本当に大きな間違いでした。
結婚、妊娠を機にお局様からの嫌がらせが始まる
私は入社して5年目で結婚をすることになりました。
結婚式はチームの皆様をご招待するのが会社の習わしのようだったので、私もそれに従い、お局様を招待させていただきました。
「あの、私、今年の秋に結婚することになったのですが、是非、○○さんにも出席していただきたいのですが、よろしいでしょうか。是非、よろしくお願いします。」とお願いをしました。
お局様は独身なので、ちょっと言うのが緊張してしまったけれど、隠して後からバレたほうがよっぽど恐いと思って、思い切って一番に話しました。
すると、おめでとうという言葉はなくても、わかりましたぐらい言ってくれるかと思いましたが、返ってきた返答は、「何曜日?」でした。
私が、「土曜日です」と答えると、「よし。」とだけ言って、その場をあとにして行きました。まぁいいかとおもって結婚式に招待し、無事に挙式をあげることができました。
結婚式をして、三ヶ月ほどで、私は妊娠をしました。
つわりがひどかったので、お局様にも「仕事でご迷惑をかけないようにしますが、つわりがひどいため、この状態を考えると、つわりのピークはもちそうにありませんので、もしも会社をいきなり当日急に休んだらすみません」と伝えておきました。
お局様は「わかったよ」と言って、私の体を心配してくれていたのですが、だんだんと、態度が変わってきました。
まず、チーム全員で集まりたいと、お局様がチームリーダーに話していたので、当然私も呼ばれると思いきや、私だけ仲間はずれでよばれず、一人で机にポツンといるということが増えてきました。
他のチームの皆も、私をかわいそうな目でみることが、増えてきました。
そして、ある日、お局様にブースに呼び出されました。何事かと思って緊張していると、「今のあなたは、会社にとってウェルカムじゃない。鋼板部皆がそう思っている。」と言われました。
そして、今、鋼板部で流れている私の噂話を全部教えてくれましたが、それは全部間違いのひどいものでした。
きっとお局様が皆に少しずつ噂話を話していったのでしょう。
その日から、鋼板部にいるのが恐くなってきました。皆が私を嫌っていると思うと、もう恐くて恐くて座ってられませんでした。
お局様の嫌がらせもピーク!誰も信じられないまま退職
もう、妊娠後期には、気が変になりそうでしたが、頑張って仕事をしていました。すると、お局様以外の鋼板部の女子達が少しずつ私に話しかけてくれるようになってきました。
そして、その話の中で、お局様が私に意地悪をしていることが次々と分かってきました。
悔しかったけど、私の精神状態は、もう何も信じることができず、フラフラの状態だったので、退職をすることにしました。
きっと、お局様はせいせいしたでしょう。
私が、結婚から出産までスムーズにいったのが、かなり気に入らなかった様子でした。
退職後の話では、あれから数年たってもお局様はやっぱりお局様で、独身のまま、営業さんにもビクビクされながら、毎日机の上にどーんと座っているのだそうです。
早く辞めてよかったと思いました。
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