広告制作の仕事は徹夜や泊まり込みが当たり前のハードワーク
大手メーカーの営業マンだった私が、子供のころからの夢を追いかけて、何とか滑り込んで業界に入ることができたのが、広告制作業。主にWEBサイトを中心とした、代理店からの制作依頼を受けて、企画・制作から納品まで行ってきました。
よくある話ですが、制作会社は夜が遅い。
通常もいろいろな業務があって、単純な制作だけでなく、企画やプラン立案、企画書類の作成もあれば、撮影や取材などのクライアント先様での仕事、制作物の進行においては、資料をまとめたり見積書を用意したりと、単純に絵をかいて、こだわりつくせばよい、そう思っていたのは業界に入るまでの夢物語でした。
もちろん業界でもカリスマデザイナーや、大手制作会社で完全に分業されている会社だとデザイナーという職業は、デザインだけをしていれば良いのでしょうが、未経験だった私が入れる会社の規模なんてしれていて、十数人の会社であればいろいろな業務が山のように積み重なっているので、少しずつでも崩していかなければならない日々が続きました。
そのため毎日が終電近くまで仕事をしなけれならず、コンペやプレゼンなどがあれば、そのための資料が期日までに用意しなければならず、徹夜も月に4~5日あり、酷いときは家に帰れない日が数日続くときもあったのです。
もちろん社員やアルバイトも長く続く人が少ないため、せっかく新規で入社しても、すぐに辞めてしまうので教育する時間も勿体なく感じてしまい、人が育たずすぐに辞めるため、また自分たちに負荷がかかるという、いつまでも負の連鎖が続き、私を含めた社員みんなが常に体調が悪く、テンションも低いまま、惰性で仕事を続けるという最悪の労働環境の中で仕事をしておりました。
労働環境を改善するよう社長に直談判!しかし何も変わらず退職を決意
5年ほど在籍していた私は、そんな会社なので古株となってしまっており、その責任から何度も社長に直談判して労働環境を改善するように訴えていたのです。
やはりこの業界に入ることができたのも、社長のおかげだし、それなりに長く続けていたのは、好きでもありやりがいもあったからで、恩を感じながら情をもって接してきたつもりでした。
ただ、全く改善されない労働条件にたいして、策を講じず一人仕事もろくにせず遊びまわっている社長を見ていると、やりがいがあり魅力を感じていた仕事そのものが嫌になってくる自分がいました。
好きだったからこの業界に入ったのに、その仕事が嫌いになるなんて。そんなことになる前に、何とかしようと自分でできる範囲でチャレンジしてみました。
定時に帰る日を作ろうと提案したり、営業の効率を上げてもらう、資料の量を減らす、外注の協力業者を増やすなどの業務改善を進めようとしたのですが、全て社長が乗り気にならず、うやむやになってしまいました。
会社を変える気がない、だから変えようとする努力を認めない社長に、私は見切りをつけて、転職を決意したのです。
転職で重視したのは労働条件と職場環境!
社内に残る人はもちろん、クライアント、協力業者や代理店など、周りのみなさんにできるだけ迷惑をかけないで済むよう、スムーズに転職ができるように心がけて転職活動に挑みました。
もう辞めると決めた会社の仕事ですが、同じ業界、いつどこで繋がるかわかりません。そのためしっかりと最後まで仕事をやりきることはしたつもりです。
そして新しい会社を探すにあたって、やはり気にしたのは労働条件や職場環境です。
もちろん入ってみないとわからない部分も多いので、ネットだけの情報だと不足してしまいます。
大手転職ポータルサイトも利用して求人情報もチェックをしましたが、それ以上に大切にしたのが紹介です。
狭い業界なので、協力業者や代理店の営業に事情を話し、同じような制作会社で条件のよさそうなところを探してもらったり、紹介してもらったりしました。
やはり人が動くことも多い業界なので、自然と情報も集まってきたのです。
もちろん転職の流れを知るために、転職サイトと同じように転職エージェントなども利用するなど、情報収集も幅広く行いました。
求めた条件は、福利厚生が充実していることです。
業界的に残業代が全て計算されることは不可能だと思っていましたが、やはり休みがある程度確保されており、また就業時間と退社時間の傾向や、振休の取りやすさなど、非常に気にしました。
もちろんその会社の仕事の実績や作品、お客さんの傾向などもチェックしましたが、それ以上に会社の雰囲気などを、もちろんわかる範囲ではありますが、調べたのです。
というのも最初の会社で問題に感じた、一番大きなものだったし、家族が大きくなるにつれて、やはり家族との時間も大切にしなければならないとの責任も感じていたからです。
いろいろと活動を進めたおかげで、よりよい会社に転職することができ、おかげさまで何とか今もやりがいをもって仕事ができています。
ある程度年齢を重ねた今、やはり転職してよかったと思っています。