先輩の優しさがプレッシャーになった生命保険会社の仕事
私は生命保険会社に勤めていました。
田舎暮らしの私は月10万円稼げればいいと考えていましたが、生命保険会社では月14万円ほど稼げる事から、親に保険会社は大変だから働かないほうがいいと、反対されながらも働く事を決めました。
保険に関して全く無知だった私は何冊もの教科書のような物を渡され絶句しました。
勉強が苦手だった私はリタイア寸前でしたが、稼げると思い必死に勉強し、試験を受け見事合格し、生命保険会社に入社する事が出来ました。
先輩方は優しく「分からない事があったら、すぐに声かけてね」と色々と教えてくれました。
そして、お客様の所へ訪問する時も、車の免許が無かった私のために同行してくれてお手本を見せてくれました。
私は早く一人でお客様の所へ行けるようになりたいと思っていたのですが、免許がない私に先輩は、いつもいつも自分の時間をけずって車を出してくれて同行してくれました。
ありがたい気持ちと、お客様との話中もずっと私の後ろに居るプレッシャーから、私は自分の思うように仕事が出来ず「お客様の所へは私一人で行かせてほしい」と、お願いしてみたのですが「かばんも重いし歩きだと辛いから遠慮しないで!」と、優しい言葉をいただきそれ以上は何も聞かず、何も言ってはくれませんでした。
もうしばらくは、同行してもらうしかないか…と諦めました。
それから、数日後。
先輩が朝礼時間に言いました。
「私ばっかりがいつも車出して同行してるから曜日毎に決めよう」
「私だって暇じゃないし毎日は時間作れないんだからね」と。
私は申し訳ない気持ちで「今度からは歩きますから歩けない距離の時だけお願いしていいですか?」と、聞くと周りの先輩方も「歩きは大変だろうから同行するよ!」と言いました。
私は断り続けたのですが先輩方は一致団結していて、曜日毎に私のために時間を取ってくれる事になりました。
ただただ申し訳ない気持ちで私は病んでしまいました。
それでも、お金のために私は前向きに頑張ろうと思いました。
仕事に行きづらくなり、ついに仮病を使ってしまい立場が悪化
そして、月曜日~金曜日5日間、毎日違う先輩にお客様の所へ同行してもらうと「まずはお手本を見せてあげるね」と先輩が教えてくれるのですがみんなそれぞれ、やり方が違うので私は何が正解なのか分からなく困ってしまいました。
そこで、上司に相談すると、自分がお客様の立場になった時に良いと思えるものを真似てみるといいよ。
と言われ私は先輩方のそれぞれの良いと思った所を真似て、自分流の話し方、説明の仕方などを身につけました。
すると、一人の先輩からダメ出しをされてしまいました。
私は、お客様の立場で考え良いと思った所を真似てみたと正直に話しました。
すると、その先輩は違う先輩の悪口を言い始めました。
「そんなやり方だから成績が悪いんだ」とか「そんなやり方だから後輩が成長しないんだ」など私は自分の事を言われてると思いショックを受けました。
それをきっかけに先輩方がピリピリし始め私はますます病んでしまい、仕事へ行く事が辛いと感じてしまいました。
そして休みがちになってしまいました。
すると先輩は休むたびに何度も何度も電話をかけてきて、電話に出た出ない関係なく家にまで来るようになりました。
私は恐怖を感じました。
そして、その頃。
インフルエンザが流行っていたため、私は後の事を考えずこれで1週間はゆっくり休める!
そう思い、インフルエンザだと嘘をつきました。
私が思っていた通り、休んでいた1週間は先輩からの電話もなく、家へ来る事もありませんでした。
しかし1週間の休みは、あっという間に終わり、暗い気持ちで出社すると病院へ行ってインフルエンザだと診断された証拠に診断書を持ってきてほしいと言われました。
私は、もうごまかす事も出来ないと判断し怒られる覚悟で、クビになる覚悟で正直に話しました。
すると、怒られたというよりは今後このような事がないように。と軽く注意されました。
ほっとしたのもつかの間。
私が仮病を使った事などすぐに会社中に広まってしまい、私は白い目で見られるようになりました。
仮病の発覚が原因で退職することを決めた
ますます会社へ行きづらくなってしまい、私は会社を辞める事を決めました。
上司に辞めますと話したところ、人手不足の生命保険会社はなかなか辞めさせてはくれず、1ヶ月にもわたり話し合いが続きました。
私の意志が固くやっと上司はおれてくれました。
そして会社の規定により2ヶ月は辞めれないと言われました。
その間ボーナスが出るとの事だったので私は2ヶ月間耐えました。
人生で初めてのボーナスを私は楽しみにしていたのですが、ボーナスは300円くらいと言われました。
3万円の間違いかと気にしなかったのですが、実際もらったボーナスの額は本当に百円単位でした。
私は辞めるまでの2ヶ月間がとっても長く感じました。
生命保険会社に入社し保険の大切さを学び、人の優しさを知りました。
先輩方にも、よくしてもらい感謝でいっぱいですが、この頃の私は先輩の厚意が迷惑にも思っていました。
今思うと逃げてばかりで大人げなかった私は今ちゃんと成長出来ているのか分かりません。
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