就労継続支援A型事業所で講師として勤務。退職するまでの経緯

みんなの退職体験談

就労継続支援A型事業所で動画マーケティングの講師として働くことになった

私は大学を卒業し最初に勤めた会社で、社員として動画マーケティング部にいました。

主な仕事内容は動画を利用した企業のコンサルティング、動画の制作、企画や営業でした。

そこで1年ほど勤め、いつしか部長として部署を任せてもらえるようになりました。

そこで経験を積んだ私は、社長が会社の都合により動画マーケティング部を廃止すると同時に独立し、自身で動画を使った企業コンサルティングの仕事を行っていました。

独立から1年、社長から就労継続支援A型事業所を立ち上げたいと連絡がありました。

就労継続支援A型事業所とは、通常の職場に雇用されることが困難な障害者の方に就労の機会を提供するため、生産活動とその他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う事業所の事を言います。

就労継続支援には雇用契約を結び利用する「A型」と、雇用契約を結ばないで利用する「B型」の2種類があります。

そこでA型の方々に向けて動画マーケティングの講師をして欲しいと言われました。

その際に提示された給与は、時給制で時給2000円です。

週5日の8時間、おおよそ月給30万円以上です。

私は好条件だと思い、了承してそこに勤務することとなりました。

しかし、様々な障害を持った方々にパソコン業務、まして動画マーケティングを1から指導するのは大変困難を極めました。

10分前に説明したことを再度聞く方がいたり、1対1で隣についていないと作業を行えない方々がいたり、中には突然キレて暴れだしたり泣き出しする方までいたりというのが当たり前の環境でした。

かける言葉一つで相手の傷つけてしまうこともあり、精神的にかなり気を使いながら指導をしていました。

私の他にも社員の方がいましたが、パソコンの知識もないということで、就労者の方々への対応はほぼ私に丸投げでした。

せめて一緒に学びながら理解した範囲だけでもサポートして欲しいとお願いしたのですが、「はい」と返事をするだけで、その社員の方々は声をかける度に自分たちの仕事があるからと言って、動画マーケティングについて一緒に学ぼうという姿勢がなく、常に非協力的でした。

ある日、私が社員の方々に相談したいことがあり、セパレートされている社員の方々の作業スペースの方へいったところ、社員の方々はパソコンでアニメを見たりゲームをしていました。

私は怒りがこみあげてきて、その場で社長に報告しようかとも思いました。

しかし、私は講師である分、他の社員の方々よりも高い給与をもらっている身なのでがんばろうと思い、半年ほど継続して頑張りました。

勤務時間通りに朝から出勤するのが億劫だという方や、他の人がいると作業に集中できないという就労者の方の為に、いつしか残業や土曜日に出勤するのが当たり前のようになっていました。

利益が上がらず突然の減給!不満だったがすぐには退職できなかった

勤務し始めて3ヶ月ほどたったある日、社長からある相談をされました。

それは減給でした。時給を1500円にしたいとのことでした。

相談とはいうものの半ば強引な決定でした。

週5日が6日になり、時給がある日突然500円下がったのです。

理由は、事業所の収益が低いことでした。

私は精一杯指導してきたつもりですが、社長は一度も現場に顔を出しにきたこともなく、具体的な事業計画の提示もしたきたことがありません。

この事業所を立ち上げた際にも「利益はでなくていい。利用者の方々が職場にでたいと思うことが最優先」だと言っていました。

それにもかかわらず、利益がでていないからと言って減給を申し出てきたのです。

きっと、私の指導が甘いのが原因で、収益があがっていなのだと判断したのでしょう。

厳しく言えば潰れてしまう可能性もある人たちに対して、バランスをとりながら指導してきたつもりです。

どうするのが正しかったのか、もちろん私は福祉的知識などもなく、障がい者の方々とどのように接することがベストなのかもわからない環境の中で頑張ってきました。

私以外の社員の方々はいずれも福祉関係の仕事を経験されてきた方々です。

その社員の方々が勤務中にアニメを見たりゲームをしていたのです。

私はなぜ他の社員ではなく私の給料が下げられてしまうのか不満で社長に相談しましたが、私に払っている給料が圧倒的に多いというのが理由でした。

結局私は、生活のため、その場で辞めるわけにもいかず、了承しました。

現場を鑑みない社長の思いつきの計画を命じられ我慢も限界に達し退職

勤務し始めて半年がたった頃、社長からとある提案をされました。

「ホームページ作成の業務を追加したいので勉強して教えられるようになって欲しい」とのことでした。

どうやら知り合いの他の社長さんからホームページ作成が簡単で儲かるとアドバイスをされたようです。

もはや動画マーケティングの講師でもありません。

勤務日を増やされ、給料を下げられ、専門分野とも違う分野の勉強を強いられ、私の怒りは頂点に達しました。

パソコンの使い方を覚えるのに必死な方々に対して、今やっている動画マーケティングの業務に追加してホームページ作成の業務ができるわけがないでしょう。

なぜ現場を見ずにそのような提案ができるのか理解に苦しみました。

その提案から1週間後、私は退職届を提出しました。

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