入社してすぐ、退職者が多い職場だということに気づいた
離婚を予定していたため専業主婦からの社会復帰が必要だった私は、過去に経験があることや子供を育てながら、働くために最も適している事務職で仕事を探していました。
就職活動を始めて1ヶ月ほどで、当時の職場に採用してもらいました。
ここから新たな生活のスタートだと意気込んでいましたが、働きだした初日から職場に違和感を抱くこととなってしまいました。
代表取締役である社長が父親と、その娘がこの職場を牛耳っていました。
血縁に関係のない事務員の席は3ポストあり、このうちの一人が退職する予定だということで、私はこのポストの引き継ぎとして採用されたのです。
働き始めて間もなく、ひとりを除く2ポストの事務員が短期間で次々と辞めている事実に直面しました。
会社に保管してある離職票によってこの事実に気が付いたときは、この会社は大丈夫だろうか、とかすかな不安を感じたものの、話を聞いているとどうやら退職者本人に良くない点があったとも感じたため、従業員に恵まれないためかと解釈しました。
しかし、退職者からの事務的な用件を問い合わせる連絡などを受けると、社長や娘の対応が理不尽に感じることも増え、それは退職者だけでなく現従業員となった私にもすぐにふりかかってくるようになりました。
退職者が多い理由がすぐにわかった理不尽な同僚の存在
家族経営のルールは縛りがきつく、事務作業も驚くほど時代遅れだったため、効率の悪さは新人である私にもすぐに感じられました。
引き継ぎ期間はあっと言う間に過ぎましたが、社長の以降により、引き継ぐポストは新たに社員を募集し、私には違うポストの仕事を任せると決められてしまったため、退職予定の方から教わったことはほとんど無駄になってしまいました。
私はこの会社にしぶとく居座っている血縁外の事務員の下につくことになりましたが、この事務員が見事なお局状態だったのです。
働き始めの初日に感じた違和感は彼女にありました。
挨拶をしても目を合わせることなく、気に入らない口ぶりで冷たい挨拶をされたのです。
退職予定の方とは仲が良いようで、親しげに話していましたが、私への態度は手のひらを返したようでした。
業務内容を反復するタイミングもないままに、毎日新しいことを教えられましたが、振り返って質問をすることは許されませんでした。
彼女の口癖は「一度教えたことは聞かないでください。自分でメモを調べてください。」というものでした。
これは単なる意地悪です。
慣れた職場でも自分の記憶が不確かなときに同僚や上司などに確認をすることは不自然なことではありません。
私は「あなたは一度見たもの、聞いたものを全て覚えられるのですか」とたずねたこともありました。
すると彼女は「はい。わたしは一度聞いたことは覚えられるので」と平然とお答えになりました。
そのため、私は業務の進め方でわからないことがあれば膨大な量の走り書きメモから調べる以外に方法がなかったのです。
調べる作業に時間がかかると、社長から「そんなことをいちいち調べているくらいなら、聞けばいいだろ!かっこつけるな」と怒鳴られ、スピーディに仕事ができない私に、社長の娘が呼び出し説教を繰り返しました。
この状態では事務員が長続きしないことは明らかです。
この職場についてから1ヶ月もしないうち、いえ、二週目ほどからこんな状態が続いていました。
自分の人格を否定するようなことも平気で言われ、普通の挨拶さえもままならないため、毎日会社へ向かう足取りは重く、帰りはひとりで涙を流す日々でした。
辛くてもやめられなかったのは、やはり子供のためです。
1ヶ月が過ぎたころ、今度は社長の息子が「専務」というかたちで会社に入ってきました。
なんのために入ってきたのかわからない人、といった感じで、いつもデスクにむかって何か書いていました。
彼は私に辛くあたることはありませんでしたが、その反対に食事に誘われるような状態で、気持ちの悪さを感じていました。
妻子もあるのですが、もちろん父親である社長や妹がいないときに誘ってきていました。
私は理由をつけて断っていましたが、この家族のやり方やただひとり古株となっている事務員と今後も続けて仕事をし、いつか関係がよくなる日がくるようにはとても思えず、体重も減少していたことや自分の代名詞だとも感じていた笑顔がまったくできなくなっていたこともあり、退職を決意しました。
退職しすぐに次の職場を見つけられた!退職して本当に良かった!
実は次の仕事は決まっていなかったのですが、とりあえず少しの間であれば生活はできるだろうと考えて、頼る人もありませんでしたが、自分のために辞めることにしたのです。
もちろん考え直すように言われましたが、決意は固くきまっていました。
社内ではまた事務員を募集することや教える手間を損失だと訴えてきましたが、これは私の知るところでありません。
業務で毎日のように通っていた銀行で、顔見知りになった職員さんから「だいぶ慣れましたか?」と声をかけられたタイミングで「辞めることにしました」という会話になってしまいました。
それでもこの決断は正解でした。すぐに良い職場に恵まれ、自分らしく明るい笑顔を取り戻して楽しく働いています。
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