転職した先は「こうはなりたくない」と感じる鬱屈した職場だった
辞めた職種は営業事務です。
比較的単調な事務作業で給与としては遜色もなく企業規模も大きいものでした。
しかしながら入ったその日から声に出せない後悔を感じ、最終的に転職に至りました。
転職して入った会社はそれなりの大きさで、世間で知られたような商品を取り扱っている会社でもありました。
入社が決まった時はいったんは安堵したものの現実はそう甘いものではありません。
配属された営業部にいる多数の女性に共通しているキーワードは「鬱屈」でした。
誰もかれもが行き詰まっていると言って過言ではなく、それを隠しているわけでもありません。
生え抜きでいる人も転職組もことごとく鬱屈しています。
そして表現できない暗さと一緒にある種のあきらめもありました。
今にして思えば女性はほぼ全員が未婚者で、なにがしかの出会いがある場所でもなかったですし、かといってほかの場所で同じだけの給与を得られるかというとそういうわけでもないために留まらざるを得なかった人も多かったのだとも理解できます。
しかしとにかくその吹き溜まりとも言えるフロアはどんなにきれいにしつらえられていたとしても、根本的に生きる気力も次第に奪われるような感覚を覚える場所でしかありませんでした。
せめて仕事をしっかりとと思っても、同僚が叱責される様子があからさまにされているような場所ですと全体に士気が落ちていますからへたなやる気はかえって職場の空気を乱してしまいます。
結果として同僚の女性たちの不興を買うことにつながりました。
すれ違いざまに耳元でうっ憤晴らしの辛辣な言葉を吐かれていると自分が職場のごみ箱になりに行くような気分でもありましたし、とにかく一緒にいたくないとただそう思いました。
歯磨き用のセットは洗面所に置いておくことになっていましたが、その洗面所の棚の大混乱と汚さと言ったら。
棚そのものはとてもきれい。
扉を開けたら全員分の化粧道具などが乱雑に突っ込まれていてめちゃくちゃです。
ついでに自分の物を置く場所もない。
黙ったまましばらく眺め、扉を閉じてその場所から離れました。
これがこの職場の縮図なのだなと心から思いました。
とても小さな事のようですが、これがもう一度人生を仕切りなおそうと決意したきっかけでした。
転職のための軍資金を貯めることを第一にして生活を見直した
会社をいずれ辞めなくてはならないとなればあとは現実問題です。
まずは不要な出費を徹底して洗い出し削っていきました。
毎日弁当です。
ライスだけは社食で頼んでおかずは持参。
服を買うなどは一切禁止しました。
預金残高がすべてを決めるからです。
軍資金のことで頭がいっぱいでした。
それと引っ越しをしようと思っていたのですがそれを取りやめてそのまま留まることに決め、会社を辞めてもなにがしかその場所につながりを持てるように市の開催していたゆるいスポーツ教室に通いだしました。
人生の軸としての拠点を決めなくては話になりませんし、職場をやめるまでと辞めてからの孤立のストレスを何とかして避けようと思ったのです。
たいしたお金もかからないだろうというそろばんもありました。
更に少しずつお金のかかるタイプのなんとなくで付き合っていたゆるい友人との付き合いを徐々に削っていき、また「転職したんだ」というと顔向けできないなと思うような大事な人らとも次第に距離をとるようにしました。
転職が成功してからまた再開すればよいとそこは割り切っていきました。
ちょうどよい締切の資格の取得を目標に設定し、転職の準備を進めた
最初の会社からの転職で第二新卒と呼ばれ入った会社を、また辞める。
これは情けないと言われたらそれまでですし、世間はいちいち事情を聴いてくれるわけでもありません。
最初の会社はパワハラなんだで済ませられても、次の会社をじゃあなぜ辞めたとなると、困ってしまいます。
本当は別の職種に就きたいとそのためにある意味生活費稼ぎで勤めていた会社です。
この別の職種をまずは遠くの目標において、近接分野の資格試験を洗い出してリストアップしました。
手帳に書かれたその資格をこの会社の在職中にとっていこうと思ったのです。
会社が辛いなら別口で何かを見出さなくてはいけませんが、かといって遠すぎる目標では気持ちもくじけてしまいます。
そこでちょうどよい締め切りだからと資格試験を設定していきました。
そうでもしなければやっていられない、というのと、自分に実力をつけるためだという事がこうやって抱き合わせにできるのはある意味では恵まれているのだと自覚しつつ、自らに課したハードルを一つ一つ超えることで耐え続けました。
「ここで働いていたくない」という気持ちがあったから転職に踏み切れた
あの会社のフロアにいた人たちは、ああしたくてしていたわけではないでしょう。
でも偉そうなことを言えるような自分でも決してないのです。
自分の足りていない場所を見出すチャンスだと当時も思いましたし、正直今もそう思います。
あの場所にいるよりはましだと辛い時に思い返すこともあります。
履歴書に汚点をつけたようでそれは辛いと言えばつらいのですが、あの場所でしか見えなかった光景です。
働くことは場所によります。
あえてここにいる必要はないという場所だと見極めたら見限れなくてはならないし、それには実力が必要なのだと切実に学びました。
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