会社のためだけに生きているみたいだった大手旅行会社での仕事
7年前、大学3年生の私は希望に満ち溢れていました。
当時、続く不景気と売り手市場は相変わらずで、就職活動はかなり厳しくなっていると言われていましたが、「夢にまで見た旅行会社で働くチャンスを得られるかもしれない…厳しい就活も絶対に乗り越えてやる!」と燃えに燃えていたと記憶しています。
まさかその先に想像を絶する厳しい毎日が待っているとは知らず…。
厳しい就職活動を乗り切り、見事第一希望の大手旅行会社に就職をした私。
入社後は店舗でカウンター営業を行うことになり、大型ショッピングモールの中に軒を構える営業所へ配属となりました。
ショッピングモールの営業時間は朝10時から22時。
もちろんモールがオープンしている間は私たちのお店も開けておかなければなりません。
私たちの店舗は早番(10時から18時)、遅番(14時から22時)のシフト制で運営をされていました。
ですが、シフト制というのはあくまでも建前。
実際は早番であってもお客様対応の為帰ることができず、遅番であっても前日の仕事が残っている為早く来なくてはならないという、毎日が12時間労働必須という厳しい状況…。
その上、22時までお客様対応をしている為、細かい処理業務は閉店後にやらなければならず、終電でしか帰れない、それでも仕事が終わらないので朝始発で出社しなければならないという悪循環が、毎日当たり前のように続いていきました。
当時、自宅から会社までは1時間の距離がありましたので、睡眠時間は3~4時間しか取ることができず、20代前半という女性として一番良い時期に、お肌も髪もボロボロになるまで働くことしかしていなかった私…。
もちろん勤務時間だけでは仕事は終わりませんので、休日出社は当たり前。
彼氏を作る暇など到底無く、大学生時代は恋人がいる期間もありましたが、気が付くとフリーになっている期間が丸3年になってしまっていました…。
プライベートを犠牲にしてまで選んだお仕事ですが、苦しい出来事は当たり前のようにたくさん起こったものです。
出勤中は、接客業なのでお客様から罵声を浴びせられることも少なくありませんでしたし、ノルマがある会社でしたので、業績を上げなければいけないというプレッシャーと戦わなければならない日々。
今思うと狂っているとしか思えませんが(笑)、それでも当時は「この仕事が私の天職だ!お客様に大好きな旅行を手配することで喜んで頂けるならなんだってやる!」という気持ちで、すべてを犠牲にし、自分の苦しみを押し殺し、なんとか毎日の業務をこなしていました。
自分の人生を取り戻すために、このままではいけない、と退職を決意した
このような生活が3年目に差し掛かった頃、私は25歳の誕生日を迎えました。
25歳というと、20代後半に差し掛かる年齢…。
なんということでしょう!
私は会社に身を捧げているうちに、四捨五入をすると30歳という年齢に達してしまったのです。
周りでは結婚をする友人がちらほら出てきたり、社会人生活に余裕が出てきて趣味や資格取得に没頭する友人も出てきました。
そこで、私はふと思ったのです。
「私、いつまでこんな生活するんだろう。」毎日早朝に会社に行って深夜に自宅へ帰る日々。
休日は半日は会社で作業をし、その後も会社からの電話が無いか気にし続ける毎日。
人生は短い…こんな生活をしているうちに私はおばさんになって、あっという間に還暦だ…。
そして私は気付いたのです。
「私はお客様の為に生きていてはいけない!私の人生は私のものだ!」と。
そして私は決意しました。「私、会社を辞めよう。」
海外留学をすることを目標にして、退職の準備を着実に進めた
さて、会社を辞める!と決めた私ですが、「このあと何をしようか」と考えます。
正直他にやりたい仕事が思い浮かばず(この会社から逃れられるなら何でも良かった気もしますが)、なかなかスムーズに退職準備が進まない日々が過ぎていきました。
そんな時に、私はかつての夢を思い出します。
大学生時代、私は海外へ長期で留学をしたいという夢がありました。
ですが、不景気の世の中で人と違う道を選ぶ勇気は無く、旅行会社での仕事に興味があったこともあり、就職する道を選んだという背景があったのです。
ですが、もう不景気とか世の中とかどうでもいい、自分の人生やりたいことをやって過ごしたい!という気持ちが強くなった私は、海外留学をすることに決めました。
留学という夢を具体的にする為、まずは留学にどれぐらいの資金が必要なのかを調べました。
幸い都市部に住んでいましたので、留学代行会社の無料説明会なども頻繁に行われており、情報収集は比較的簡単に行うことが出来ました。
次に決めたのは目標貯金額です。
その後、現在の給料から目標額に到達する為には何年何ヵ月必要なのか、何を節約すれば少しでも早く貯金が出来るのかをノートに書き出し、着実に会社を辞める準備を進めていきました。
あの時海外留学を決めてよかった!現在は留学先で知り合った人と結婚
会社を辞める!と決めてから2年が経った日、ついに私は退職の日を迎えました。
苦しかった毎日ですが、どこか寂しい気持ちもあり、でもやっぱりこれからの毎日への期待の方がもちろん大きく、最終日に同僚の前でよく分からない涙を流したのは良い思い出です(笑)。
その後、私は単身英語圏の国へ留学し、現在はそこで知り合った外国籍の男性と結婚の約束をしています。
私は今、とても幸せだと言い切れます。
人生は短いものです。
私は会社勤めをしていた期間を決して無駄だとは思っていませんが、私だけの人生、これからも悔いの無いように生きていきたいと思っています。
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