営業として入ったものの、仕事はほぼ雑用
30歳で予てより憧れていたファッション業界、アパレル会社に転職しました。
アパレルといってもおじさんが着る洋服であまりファッションセンスが必要とされる仕事でもありませんでした。
営業先はほとんどが長年の付き合いのある百貨店で安定といえば安定した売り上げで営業努力もそういりませんでした。
なので会社の平均年齢も高くおじさんばかりで一番年齢が近い先輩でも一回り離れており30歳でも一番若くほぼパシリに使われるぐらい若手扱いです。
毎日の業務も営業に行くよりも毎日事務処理や入出荷作業をするぐらいで営業職という感じではありません。
またおじさん達はパソコンも使うことができずデスクワークはなにしてんだろーという感じです。
定時は6時で5分後にはみんな退社です。
そのあとは近くの居酒屋に直行でギャンブルと風俗店の話で盛り上がる毎日でした。
これは絶対参加で酒が苦手な私にとっては大変苦痛でした。
夢と希望をもって憧れのファッション業界に入った私にとっては理想と現実の差が大きすぎてこんなはずではなかったという感じでした。
とはいっても毎日定時には終わりゆるーい感じで楽と言えば楽でした。
営業ノルマもあってなきようなもので会議も数字の議題は5分ぐらいで後は居酒屋の新規開拓といった雑談でゆるゆるでした。
職場全体がやる気がなく、現状維持だけを求められる仕事
しかし営業職としての毎日毎月の達成感がなく仕事としての楽しさが全く感じられませんでした。
そこで私は新規開拓をしようと上司に相談してみると売上も悪くないし他に誰もやってないことをことをわざわざやる必要はないと却下されました。
この言葉にはがっかりでした
このままでは仕事の楽しさがなんにもないので秘密裏に新規開拓と大幅な売り上げアップで本社にアピールしようと計画し動きだしました。
いろんな商品プランや売場企画書を作り得意先や新規得意先を内緒で営業して廻りました。
新規開拓はそう簡単にはいきませんでしたが既存得意先への売り上げはみるみる増大し頑張った結果がでていることで毎日楽しく、得意先からも色んな企画や提案を出すようになったのでこれまでにない会社の評価をしてもらえるようになりました。
しかしあるとき上司と先輩に呼び出されお前がやっていることは営業所のペースを乱すスタンドプレーでお前がやればほかの者もやらなくてはいけなくなるのでいならいことをするなと言われました。
やっかみなのかなと思いましたが更に、売上はみんな同じぐらいでそこそこでいいんだ波風をたてるなと所長にも怒られました。
もう開いた口が塞がらないとはまさにこのことで呆れ果て頭の中で退職の二文字がグルグル回り出しました。
これまで仕事をしないで文句を言われたことがあっても頑張って仕事するなと叱責されたことはありません。
全社的にそうではないにしても商品力でずっとそこそこの売上できており、現状維持が目標のようなところがあり故に楽でベテランが多く物足りない若手は辞めていくという図式のようです。
さらに私のいた営業所はベテラン中のベテランばかりで社長ですら頭の上がらないつわものばかりだったそうです。
こんな会社に定年まであと30年とても我慢できるはずがありません。
考えようによってはなにもしないでいいのであれば割り切って楽なのかもしれませんが余生の暇つぶしのための他のおじさん達とは違い
私は喜びや達成感を仕事に求め自分のスキルやキャリアアップをしたいと考えておりこれまでも頑張ってきたと自負があるのでもう無理でした。
急いで帰宅し妻に相談したところ会社を辞めることに賛成してくれました。
次も決まっていないのに退職に賛成してくれた理由はこの会社に入ってから私の顔がいきいきしていなかったらしく私らしさがなくなっていたので口には出さないが心配していたからだとのことでした。
妻の懐の深さに感謝で頭が下がるばかりでした。
退職願を出し円満退職とまではいかないものの私の考えは少しは理解してもらえたようです。
取引先から新しい職場を紹介され転職!ハードだけど充実した毎日
それから親しくなった得意先にも相談したところ、私の仕事ぶりを評価していてくれたらしく他のアパレルメーカーを紹介していただき、めでたく採用になりました。
やはり一生懸命頑張っていれば誰かが必ず見ていてくれる人がいるのだと初めて感じたことと人脈づくりの大切さを知りました。
次の転職先はアメリカンカジュアルがメインの会社で性別関係なくあらゆる年齢層が対象なので高いファッション感度も必要とされ自分を磨くことも重要となるのでたくさんのアンテナをはりめぐらせて頑張っています。
今度私はベテランぐらいの年齢で新規開拓も任され、忙しい毎日で充実した仕事ができるようになりました。
出張も多く帰宅する時間も遅くなりましたが、楽しくて疲れを全く感じません。
同じ仕事をするのならやはりやりがいを見出せる環境をしっかり見つけることも大事だと感じました。
数年後、前いた会社は倒産したようです。今考えると今回の転職はつくづくいい決断だったと今考えています。
コメント