残業代ゼロ法案とは~2017年成立する?残業代ゼロ法案のメリットとデメリット

転職チャレンジ用語集

1.残業代ゼロ法案について詳しく解説!

2017年に注目したい法案といえば、何と言っても残業代ゼロ法案でしょう。

今回はそんな残業代ゼロ法案について、そもそもどういう法案なのか、成立するとどうなるのか、メリット・デメリットなど様々な視点からご紹介していきます。

『残業代ゼロ法案って聞いたことはあるけど、いまいちよく分からない』といった方は、是非最後までご覧ください。

2.残業代ゼロ法案とは?正式名称は?

まず初めに、残業代ゼロ法案がどのようなものなのか簡単に説明していきます。

【正式名称は高度プロフェッショナル制度】
残業代ゼロ法案という言葉が普及していますが、これは野党が揶揄的に使っている言葉で、正式名称は「高度プロフェッショナル制度」と言います。

具体的な内容としては、職務範囲がはっきりしており、高度な専門知識を備えている年収1075万円以上の方を対象に、本人の同意を得た上で労働時間や休日、深夜の割増賃金などの規定を適用外にするというものです。

一言でいうと、給料を労働時間ではなく成果で決めるという法案になっています。

長時間労働の改善を目指す背景がありますが、メディアなどからは『むしろ長時間労働を助長し、さらには残業代も支払われない残業代ゼロ法案だ』と非難が殺到している状況です。

私達の生活にも関わってくるため、今後の動きに目が離せない法案と言えるでしょう。

3.残業代ゼロ法案が成立したらどうなるの?

残業代ゼロ法案はまだ成立していませんが、もし成立した場合、私たちはどのような影響を受けるのでしょうか?

こちらで詳しく見ていきます。

【残業代が支給されない労働者が出る】
まず大前提として、あくまで最初の対象になるのは、特定の高度専門業務に従事している年収1075万円以上の方であるということを押さえておきましょう。

具体的には以下の5つの仕事に当てはまっている方が対象です。

・金融の商品開発に携わる方
・金融ディーラー
・コンサルタント
・アナリスト
・研究開発に携わる方

これらの要件を満たしている場合、労働時間や休日、残業時間の規定から外れてしまうため、残業代を貰えなくなる方も出てくるでしょう。

ただし、一方でしっかりと成果を出すことができれば、さっさと仕事を切り上げてプライベートの時間を楽しむこともできるのです。

4.残業代ゼロ法案のメリット

【1.成果を残せる人にはしっかり給料が支払われる】

残業代ゼロ法案は、仕事ができるビジネスパーソンにとってはかなりメリットの大きい法案と言えるでしょう。

今の日本の労働環境では、残業代欲しさにダラダラと会社に残り続ける方も少なくありません。

しかし、残業代ゼロ法案が適用されれば、残業代という概念が無くなるため、成果を出している方にしっかりと報酬が還元される仕組みになっていきます。

成果を出せる方は大幅な給料アップを狙える可能性があります。

【2.プライベートの時間も確保しやすくなる】

日本の労働基準法では一日8時間、週5日の労働時間が法律で定められていますが、残業代ゼロ法案が適用されると、成果をしっかり残せていれば早めに仕事を切り上げることも可能になります。

つまり今まで以上にプライベートの時間も確保しやすくなるでしょう。

ただし、こちらも前述した通り、仕事でしっかりと成果を残せていることが前提になります。

5.残業代ゼロ法案のデメリット

【1.残業代が貰えなくなる】
残業代ゼロ法案のデメリットとしては、やはり残業代が貰えなくなることでしょう。

残業代ゼロ法案が適用されれば、労働時間に対して給料を支払う必要がなくなるため、どれだけ残業をしたとしても結果が出せなければ給料は上がらなくなります。

ビジネスパーソンの中には会社から支給される残業代を頼りに生活基盤を作っている方もいるので、そのような方にとっては生活に直接関わってくる問題だと言えるでしょう。

給料が低くて生活できない状況になっても『仕事で成果を出せないあなたが悪い』と突き放されるような状況になりかねないのです。

【2.サービス残業・長時間労働が増える】

残業代ゼロ法案の注目すべき点は、残業代だけでなく労働時間や休日に関する規制も外れてしまうということです。

つまり、なかなか成果が出せなかった場合、成果を出すためのサービス残業が増え、慢性的な長時間労働につながっていく可能性も考えられるでしょう。

プライベートの時間が増える方と長時間労働に苦しむ方の極端な二極化が進むというデメリットがあるのです。

【3.休日が無くなることもある】

残業代ゼロ法案により、休日の規定が外れれば、休日出勤を求められる方も増えるでしょう。

成果をしっかり出せていれば問題ありませんが、そうでなくなった場合は立て続けに働かなければなりません。

ただし、『休日が一日も無くなるのでは?』といった極端な意見もありますが、年間104日の休日を義務化するなどの修正案が出されているので、休日が全く無くなるというような心配は必要ないでしょう。

6.残業代ゼロ法案はいつから成立するの?

2015年の4月に閣議決定された残業代ゼロ法案ですが、『一体いつ成立するの?』といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。

結論から言うと、いつから施行されるかは未だ未定となっています。

前述したようにデメリットも多いため、反発が大きく、なかなか施行まで踏み切れないような状況なのでしょう。

ただし、安倍政権にとっての大きな目玉施策でもあるため、2017年に何かしらの動きが出る可能性も高いです。

今後の国会の動きに是非注目してみてください。

【まとめ】残業代ゼロ法案を活かせるかどうかは企業次第!

残業代ゼロ法案は、メリットを受ける方とデメリットを受ける方の二極化が進む法案になる可能性が高いです。

しかし、実際のところこの法案を活かせるかどうかは企業次第とも言えるでしょう。

うまく制度として導入できれば社員のモチベーションを維持しながら長時間労働を改善できるでしょうが、悪用しようとすればある意味タダ働きのような状況も起こり得ます。

最後に残業代ゼロ法案のメリットとデメリットをおさらいしておきましょう。

《メリット》
・成果を残せる人にはしっかり給料が支払われる
・プライベートの時間も確保しやすくなる

《デメリット》
・残業代が貰えなくなる
・サービス残業・長時間労働が増える
・休日が無くなることもある

働き方に関する法案に興味のある方は、今後の動向を是非チェックしておきましょう。

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